イタリア 2016(チンクエテッレ)前編

イタリア 2016(チンクエテッレ)前編

今回は、2016年のユーロバイク後に行った

世界遺産にも登録されている、イタリアの「チンクエテッレ」のお話です。
以前も述べたとおり、イタリアは起業前から何回も訪れている、大好きな国で、それが高じて、ブランド名までイタリア語にしてしまった私ですが、「チンクエテッレ」の名は聞いたことすらありませんでした。

「おとこ二人の自転車紀行」

私がこの街(エリア?)の名を知ったのは、NHK BSにて放送された、このタイトルの番組でした。
二人の若手俳優が、ロードレーサーに乗って、北イタリアを旅する番組で、自転車旅自体が楽しそうで、なかなか面白い番組でしたが、中でも二人が訪れた「チンクエテッレ」の風景に心惹かれると共に、「いつか行ってみたいな・・・」との思いをいだきました。

それから数年、せっかくなら行ったことの無い国を優先して、ユーロバイク後の「情報収集」を行っていましたが、満を持して5年振りに、チンクエテッレをメインに、イタリアを訪れることにしました。

情報収集

日本では、ほぼ知られていない「チンクエテッレ」ですので、当時、その情報はネットを検索してもあまり多くはありませんでした。
因みに、アメリカの「イタリアガイドブック」本には、結構なページ数が割かれているそうです。
少ない情報をかき集めると、「チンクエテッレ」は、イタリア語で「5つの土地」という意味で、その名の通り20kmほどの険しい海岸線に点在する5つの村の総称です。
以前は、海からしかアプローチが出来ない、陸の孤島的なエリアだったそうですが、海岸線沿いに鉄道が走る様になり、飛躍的にアクセスがしやすくなり、リゾート地として人気が出てきている様です。

フィレンツェ経由で

タルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレユーロバイクショー終了後、会場のあるフリードリッヒスファーヘンから、チンクエテッレまでの経路は、チュッリヒへ向かい、そこからフィレンツェへフライトして、電車移動というルートが良さそうです。
ただ、その日のうちにチンクエテッレまで移動するのは、流石に無理そうなので、フィレンツェに一泊して、翌朝、電車で向かうことにしました。

タルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレタルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレタルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレ何度も訪れているフィレンツェには、お気に入りの地元食堂があり、移動日初日は、この食堂で夕飯を楽しみました。
この食堂は、お惣菜屋を兼ねていて、奥にテーブル席がいくつか有り、店内で作りたてを食べる事ができます。
久しぶりに訪れましたが、相変わらず美味しくて、比較的リーズナブルな料金も健在で、大満足の夕飯となりました。

電車移動

翌朝、フィレンツェ発の列車に乗り込むと、同じコンパートメントに、偶然年配風の日本人男性3人組と同席することになりました。
話を聞くと、彼らもフィレンツェでの仕事を終え、せっかくだから二日間ほど休暇を取り、「ピサ」へ向かうとの事でした。
私が、「チンクエテッレ」へ向かうことを話すと、「何処それ?」と皆一様に、聞いた事がない様子でした。
途中下車した彼らに別れを告げた後も、電車は目的地へと進んで行き、ついに、色とりどりの建物のならぶ街並みが見えてきました。
チンクエテッレに到着した様です。
5つの村の内、4つの村にはそれぞれの駅があり、列車は順番に停車していきます。
最後の駅も見送り、更に2駅ほど進んだ「フラムラ」という駅で、列車を降りました。

フラムラ(Framura)

タルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレ日本では無名とはいえ、海外ではそれなりに注目されている観光地である「チンクエテッレ」には、小さいながらも何軒かホテルがありますが、ハイシーズンでもあるこの時期は、結構な金額となっていたため、「チンクエテッレ」から、2駅程西へ向かった、フラムラに、今回の宿をネット予約しておきました。
タルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレネットも含め、どこにも情報の出ていない、この小さな駅に降り立つと、駅前には案内板すらありません。
少し荒れた駅前広場の先に、トンネルの様な物があるだけです。
そこしか進む道が無いので、不安な気持ちを抱えたまま、暗いトンネルの中へと入っていくと、以外に短く、直ぐに出口が見えてきました。
トンネルを出ると、うねうねとつづら折りの細い小さな道が、切り立った斜面の上へと続いています。
長年愛用のキャリーバッグを引き、ラップトップとカメラの詰まったバックパックを背中に、この道を上へと登っていきました。
タルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレ「本当にこんなとこに、ホテルがあるのかな・・・」と、不安を抱えながら、汗をかきかき登っていくと、少し見晴らしのいいポイントから、さっき列車を降りた駅が見下ろせました。
降りた際には、近過ぎて見過ごしてしまっていた、駅の周りの風景は、絵に描いたように美しい、リグリア海の夏の太陽に照らされた絶壁の海岸線と、澄んだ海とのコントラスに、しばらく見入ってしまいました。

タルタルーガ自転車イタリアチンクエテッレ更に登っていくと、やがて小さなホテルが見えてきました。
今日から3泊するHotel Augustaでした。

つづく