Tartaruga の値段は高い?

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インターネット上等の弊社製品、特にType SPORT の評価

を見ると、商品自体に対する評価は、とてもポジティブな物が多く、多くの皆様にご支持いただいている事を、大変嬉しく思います。
対して、ネガティブな御意見として、多く見られのが「値段が高い」というご指摘です。
果たして、本当にそうなのでしょうか?

Tartaruga Type SPORT には、SD、GT、DXの3グレードがあり、それぞれ税抜き本体価格が、¥163,000- 、¥192,000- 、¥230,000- です。(2018年5月時点での価格です。)
確かに、これらの価格は、決してリーズナブルな価格ではありません。
勿論、弊社が法外な利益を上乗せした結果では、決してありません。

少量生産であること

弊社製品は、極端な少量生産品だと言うことが上げられますが、これには2つの理由があります。
弊社製品は、弊社の極少ない資金だけで生産を行っている為、自ずと予算的な上限があります。
また、生産の度に、私が台湾のPacific Cycles 社に1ヶ月間程滞在して、その生産工程の全てを、確認しながら生産を行なっている為、全ての工程において、私の目が届く範囲での生産規模とならざる得ない為、一度に大量に作る事が出来ないのです。

膨大な手間を惜しまない、生産工程

生産工程そのものについても 、通常の自転車の生産工程手順からは、かけ離れた、膨大な手間をかけて、一台一台を生産しています。
あまり知られていない事実ですが、アルミ素材同士の溶接を行うと、必ず溶接による引連れ等による変形が発生します。
アルミフレーム作りは、この「溶接による変形との戦い」といっても、過言ではありません。
生産工程においては、この変形自体をできる限り抑えるために、溶接手順や、冶具へのセッティング方法などを工夫して、変形を最小限に留める努力はしますが、それでも必ず変形は起こります。
この変形を、補正するために行う修正を、「アライメント」と呼びます。

具体的に、Tartaruga Type SPORT のメインフレームを例に、その生産工程を説明すると、以下の通りです。

フレームに使用する各パイプ素材のカットや曲げ加工

CNC加工による、アルミブロックから、パーツの削り出し製作

スモールパーツのロウ付け

各パーツを治具にセットした上で、スポット溶接による仮止め

スポット溶接後のアライメント

更にスポット溶接で、パーツの仮止め

スポット溶接後の再アライメント

本溶接前のスペーサー取付け

本溶接

T4 熱処理

熱処理後のアライメント

研磨と各種洗浄による下地処理

塗装(フレームカラーによっては、下塗りを含め5層もの塗装を行います。)

前後フレームと、リアサスペンションの組立て

前後フレーム組立て後の、最終アライメント

各パートの組立て(ハンドルバーに、シフターやグリップを取付け等)

生産ライン(コンベア)に流して、全てのパーツを組付け

組立て完了後、再度バラして、梱包

出荷

この様に、本当に多くの人の手による、手間を惜しまず掛けて、生産を行っています。
特にアライメントに関しては、何かを溶接するごとに、細かな修正を繰り返し行い、溶接による変形を最小限に抑える事で、設計本来の機能を、量産する一台一台に持たせています。
通常、ここまでの細かな作業は、生産効率が非常に悪い為、量産工場では、受けてくれないのが普通ですが、Pacific Cycles 社では、その分コストはかかりますが、やってくれるところも、特殊といえます。

こう言った、膨大な手間を惜しまずにかける事で、Tartaruga Type SPORT のあの独特の乗り味と、使い勝手が生まれます。

ここまでのお話を聞いても、まだ弊社製品は高いとおもわれますか?
最終的には、皆様お一人お一人のご判断です。