イタリア ブランド名 Tartaruga について

弊社ブランド名は、「Tartaruga Entertainment Works」です。

「Tartaruga」は、イタリア語で「亀」を意味する単語です。
2001年に起業を決め、自らのデザインスタジオを開設した際に、そのデザインスタジオの名称兼、起業と同じタイミングで、発売を計画していたオリジナル商品、Type FOLDING の商品ブランド名として、使用を開始しました。

起業した際、何の躊躇もなく、日本という限られた市場だけでは無く、世界規模での展開を、視野に入れていたので、当初ブランド名には、日本発信のブランドであることを、強く意識しようと考え、「サムライ」とか「カタナ」とかと言ったワードを含めることを、真剣に検討した時期もありました。
しかしこの手法は、考えれば考えるほど、ベタ過ぎて、かっこ悪さが漂ってきてしまう為、シンプルに、自分の好きな物を前面に出そうと、方針を変更し、熟慮の末、幼少のころから何故か大好きで、ペットとしてよく飼っていた「亀」と、同じく大好きな「イタリア」を絡めて、決めたブランド名が、「Tartaruga」 でした。

イタリア語の辞書で調べて、「亀 = Tartaruga 」という事はわかりましたが、どう発音していいのかわからず、イタリア大使館に電話して、その発音を尋ねると、大使館の方が「タルタルーガですよ。」(そのまんまか!)と、親切に説明していただき、解を得ました。
「日本発信のブランドである」ことは、トレードマークの亀マークに、日の丸の要素を盛り込むことで、表現しています。

イタリア

国内外問わず、元々旅行好きだった私は、ちょうど30歳の時に、プライベートで初めて訪れたイタリアに、すっかりハマってしまい、それからの数年は、毎年1~2回、イタリアを旅する様になりました。

イタリアへ行き始めた頃は、青山にあるイタリア専門の旅行代理店へ行き、行きたい場所の希望と日程、予算を伝え、各ホテルの予約や移動方法など、個人旅行専用のパッケージを作ってもらい、行っていました。
やはり最初は、ローマ、フィレンツェ、ベネチア、ミラノと言った、メジャーな街を周りましたが、2回目以降、当時は全く無名で、その後日本でもメジャーとなる「アマルフィー」や、あのレオナルドダビンチの生まれた「ビンチ村」などを訪ねるうちに、ゆったりとした時間の流れる、イタリアの小さな町の魅力に、魅了されていきました。

その後、全ての手配を、インターネットを駆使して、自力で行うようになり、宿泊先から電車と路線バスを使って、フェラーリの本社工場がある「マラネッロ」を訪ねたこともありました。
また、「ひとり歩きのイタリア語自由自在」という、会話本を片手に、大きな街のバスターミナルへ行き、適当に地方行きのローカルバスに乗り込み、2時間程バスに揺られながら進み、お腹がすいたタイミングで、適当に降りた、未だに名前も知らない、本当に小さなトスカーナの町で、通りがかりの村人に聞いた、おすすめの食堂で食べた昼食や、その町の酒屋で、「こちらの、おすすめのワインはどれですか?」と尋ねると、「Tutto! (全部だよ!)」と、笑顔で答えた店主とのやり取りなど、未だに鮮明に覚えている程、印象的な体験でした。
その時の体験から、電車や路線バスを駆使して、色々な国でも、その土地の地方の街を訪れてみる、今の私の、旅のスタイルが確立したように思います。

美味しい料理とワイン


何といっても、イタリアが私を虜にした最大の要因は、美味しい料理と、美味しいワインの数々でした。
これは、決して高いレストランでのお話では無く、色々な街を散策中に、街角で見つけた、地元民のたむろしている、トラットリアやオステリア(食堂)を見つけては、好んで入ってトライしていった結果、かなりの高確率で「大当たり!」の食事に、リーズナブルな価格で、ありつく事が出来ました。

街中が、美術館の国


高校時代は油絵を嗜み、美術系の専門学校でプロダクトデザインを学び、デザイナーとなった私にとって、教科書でしか見た事の無かった、数々の彫刻や絵画が、普通に人々の暮らす街中に置かれ、街そのものを構成しているその様に、この国の若者達に嫉妬すると共に、「こんな環境で育った人々と、まともにデザインで勝負が出来るのか?」という、疑問を持った時期もありました。
と同時に、「何で、もっと若い時に、オレはイタリアに来なかっただろう?」という、自戒の念も持ちました。
何度行っても、楽しくて美味しい国、それがイタリア。
今でも、大好きな国のひとつです。

スローで、長生きの象徴でもある「亀」と、ゆったりとした時間が流れ、優れたデザイン、美味しい料理、フレンドリーな人々の暮らす「イタリア」を融合させた「Tartaruga」。
結構、いいネーミングだと、思いませんか?