イヤーモデルは、イヤ

一般的に多くの商品で「2018年モデル」といった

イヤーモデルという概念を持ち、商品が販売されています。
パソコンやスマートフォンフォン等の市場に至っては、「2018年 夏モデル」などと、半年毎にイヤーモデル(シーズンモデル?)を更新しています。
確かに、パソコンなどの電子機器に関しては、テクノロジーの進化や進歩は、まさに日進月歩なので、1年を待たずに、CPUなどの基本性能を左右するスペックが、旧型になってしまうため、致し方ないと見る向きもありますが、多くのマーケットにおける、イヤーモデルという考え方は、単純に消費者の新規購買意欲を刺激して、商品を売る為の手段と理解するのが、正しいのではないかと思います。

自転車市場においても 、著名ブランドを含む多くのブランドの商品が、このイヤーモデルという考え方をベースにした、商品販売を行われていて、その事が一般化しています。

熟成させて進化させるスタイル

自ら商品を企画して、デザインして開発を行い、協力工場での生産とはいえ、生産までを行っている弊社としては、このイヤーモデルという考え方に、非常に違和感を覚えるため、弊社ではこのスタイルを取っていません。
商品の企画、開発時においては、それこそありとあらゆる可能性を検証して、様々な思いを詰め込んで開発を行い、生産時においては、考えるうる全ての確認を行い、心血を注いで製作した我が子とも呼べる商品を、「今年の10月になったら、今販売している商品は、旧型になってしまうので、売れなくなる。」となる様なスタイルは、おかしいと思うからです。
しかも、その事態を他の誰でもなく、自ら作るということになります。

Tartaruga Type SPORT DX 第一ロットの画像。TOP 画像の最新ロットの DX と比較すると、一見した印象はさほど変わっていませんが、最新ロットは、フレーム剛性等様々な点で大きく進化しています。
弊社の生産毎の生産数量が、とても少ない事もあり、前回までの生産時の振り返りと、販売後の市場からのフィードバックをベースに、最新ロットの生産時に細かな改良、改善を都度行い、商品を少しずつ熟成させて進化させるスタイルこそが、最も意味があり、弊社の考え方に最も合致している手法だと考えており、この細かな改良、改善がある程度溜まってきたら、「バージョンアップ」しましたという形で、皆様に告知をしています。

熟成した市場

過去の栄華であるバブル期には、どんどん商品も売れ、新型の登場が、販売自体を牽引しました。
しかし、現在の熟成期とも呼べる市場においては、状況は一変して来ていると思います。

私のいくつかある趣味の中に、カメラがあります。
写真を撮る事自体も好きなのですが、カメラのスペックや性能にも、とても強い関心があり、これまで様々なカメラを購入しては手放してきました。
つい数年ほど前までは、特にコンパクトカメラや、エントリー向けの一眼などのモデルでは、まさにイヤーモデル的な販売を行っていました。
私自身もご多分に漏れず、カタログやネット上の噂などを頼りに、「現行機種より、この秋に出るであろう、次期モデルの方が良さそうだから、もう少し買うのは待とう。」などと、一喜一憂していました。
そんな時、知合いのカメラマンから、「今月行く旅行先での写真は、その時しか撮れないんだよ。その時にどのカメラで撮るの?」と言われ、ハッとした事がありました。
確かに、その通りです。
今では、スペック的に充分な高性能域に達した事も理由かもしれませんが、そのコンパクトカメラや、エントリー向けの一眼市場においても、1つのモデルが、最新機種として君臨する期間は2~3年と、長くなってきています。

買い時について

弊社製品に関しても、「欲しいなと思うんですけど、新型の方が良いかなと思うので、次の生産はいつですか?」とか「次の生産では、新色が出るんですか?」と言ったご質問をいただく事があります。
カメラに関しては、自分も同じ様な考え方を以前はしていましたので、こういったお気持ちも分からなくもありませんが、弊社製品タルタルーガシリーズは、勿論、今後も細かな改良は続けていきますが、Type FOLDING、Type SPORT両モデルとも、既に熟成が進み、完成の域に達していると考えています。
また、両モデルとも、「購入してそれでおしまい。」という商品では有りません。

タルタルーガに乗って、何処かへ行って経験する全ての体験にこそに、本当に素晴らしいプライスレスの価値があります。
弊社製品のご購入時期に関しては、思い立った時が吉日です。
ご購入時期に関して、迷われているお客様がいらっしゃいましたら、1日も早く御入手いただき、一ヶ所でも多くの場所へお出掛けになってみてください。
必ずや、お客様の人生を、とても豊かな物にしてくれると、信じています。