Pacific Cycles Family Day 2024

9月中旬から10月下旬まで、Pacific Cycles社製品開発

の仕事の関係で、台湾に行ってきました。
滞在中の9月28日に、Pacific Cycles社近くの特設会場で、「Pacific Cycles Family Day 2024」が開催され、このイベントに参加したので、今回は、その時のお話です。

「Pacific Cycles Family Day」

このイベントは、2015年にPacific Cycles社設立35周年を記念して、Pacific Cycles社に勤務する社員と、その家族を招待したイベントとして始まり、ここからイベントのタイトルとなりました。
今でも社員一人と、そのご家族や友人2人までは、無料で参加できます。
その後、年を追うごとに、Pacific Cycles社の製品をお持ちのお客様、自転車に乗る全ての方々、障害を持つ方々と、参加者の範囲を徐々に拡張してきたイベントです。

チャリテイーライド

メインのイベントは、12㎞、23㎞、72㎞と、3タイプ用意されたコースを、事前に申し込んだ参加者が走り、参加者全員の総走行距離に応じて、Pacific Cycles社が台湾の福祉団体や事前審査に合格した、ハンディキャップを持つ個人の方々に、チャリテイーで寄付を行うというライドイベントです。

幸いなことに、私はその一部始終の殆どをそばから見てこられたのですが、Pacific Cycles社の創業社長ジョージ・リン氏は、自ら会社を立ち上げ、自転車の開発と生産を行う傍ら、2002年ごろから、福祉市場向けの特殊製品の独自開発を、コツコツと一人で始められ、今では「サポーティブ」という、Pacific Cycles社を代表する商品カテゴリーの、一つの柱となっています。

イベント当日は、朝から雨が降ったりやんだりを繰り返す、あいにくの天気にも関わらず、早朝6時半ごろには、小さいお子様からご年配の方まで、様々な年代の800人を超える参加ライダー達が会場に集まり、各自の参加コースのスタートを待ちました。

私は、Pacific Cycles社が近日発売予定の新製品の試走を兼ね、この製品の試作品にて23㎞コースに参加しました。

最初に72㎞コースの人々が、7:15 にスタート。
ロード車両を含め、結構本気モードの人々が一斉にスタートして行きました。

23㎞コース

私の参加した23㎞コースの参加者は、「レース」と言うより、各自が楽しむことを目的にしている感じが、その表情からも伝わってきます。
中には、Pacific Cycles社の制作しているハンドサイクル「Handy」に乗った、年配の方もいらっしゃいました。
「写真を撮ってもいいですか?」と私が尋ねると、ニコニコされながら御快諾いただきました。
その一団も、7:30 にスタートです。

時折雨が激しく降る中、しばらくは長い隊列をなして走っていた人々は、次第に各自のペースでバラケていきます。
そんな中、先程撮影させてもらった、ハンドサイクルに乗った参加者と、御友人と思われる自転車に乗った参加者が、談笑しながら並走する姿を見つけました。
そのお二人の、とても素敵なたたずまいに、写真を撮りたかったのですが、雨が激しくスマホを取り出せない為、断念。
雨が弱まった時には、自転車の方は先に行かれていましたが、ハンドサイクルの方のお姿は撮影できました。

エイドステーション

時々行く、Pacific Cycles社近くの「永安漁港」を抜け、海岸沿いのサイクリングロードを暫く走ると、多くの人がたむろしている場所があり、車両を停めました。
「第1エイドステーション」です。
今回のライドイベントにも、コース上にチェックポイントを兼ねた、複数のエイドステーションが設けられています。
9月1日に参加したばかりの、「そらちグルメフォンド」の記憶も冷めやらぬうちに、「他の国のエイドステーション」を体験できるとは!

はじめて体験した台湾のエイドステーションは、やはり置いている品物からして日本と異なり、とても刺激的でした。
特に驚いたのは、ふるまわれているフルーツのカラフルさと、台湾では、定番おつまみとして人気の「滷味(ルーウェイ)」(ほとんど“おかず”です。)が、提供されている事でした。
参加証に付属するクーポンで、その場で次々に揚げている、揚げたての「アメリカンドッグ」までいただけました。
「流石にちょっと揚げ物は・・・」と、一旦は躊躇した「アメリカンドッグ」でしたが、知り合いが旨そうに食べているのを見て、やはりいただくことに!
細身のそれは、思っていたほど脂っこく無く、ペロリといただきました。
仮説トイレまで設置されているのにも、びっくりしました。

小腹を満たしたら、それぞれが自分のペースで走り始めます。
その後も、雨が降ったりやんだりする中、曲がり角ごとに立つ、コースガイドの方の指示に従い、しばらく一般道を走ると、お寺の駐車場内に「第2エイドステーション」がありました。
こちらでは、冷えたスポーツドリンクと、「サツマイモとフルーツのエナジーバー」をいただきました。
バナナや一口大のチョコ、「滷味(ルーウェイ)」もあります。
(時折降る激しい雨の為、雨除けのカバーが掛けられています。)

そしてゴール

「第2エイドステーション」を出発すると、途端に激しい土砂降りの雨に見舞われ、雨具を着ていなかった私は、下着までビショビショになってしまいました。
そんな天候の中、小さなお子さんとお母さんと思われる二人組が先を走っていて、お子さんの被るヘルメットに付いている小さなプロペラが、ゆっくりクルクルと回っていて、何ともほっこりさせてもらいました。

ペダルを漕ぎつづけていると、やがて雨が上がり、日が射してきます。
本当に、気まぐれで変な天気です。
コースガイドの居ないコース上には、曲がり角や直進を示す看板が設置されていいて、コースに迷う事はありません。
こうして、9時過ぎには無事ゴールすることができました。

ゴール後は、受付へ行き、チェックポイントの検査証を見せて、完走の証明代わりのクーポン券と、お土産類を受け取りました。
まだ時間的にも早く、滞在している宿が、イベント会場から近かったこともあり、一度宿へ戻り、シャワーを浴びて着替えてから、会場に戻りました。

イベント会場

朝は、各コースのスタートがメインだった会場は、すっかり雨も上がり、この秋に発売となるPacific Cycles社の新製品の展示や、試乗ができるコーナー、お子様向けのワークショップのコーナーなどがあり、ライドから戻られた皆さんや、一般来場の方々でとても賑わっています。
更に奥のスペースには、マーケットエリアとステージエリアがあり、ゴール後に受け取った、完走証明代わりの「クーポン券」は、メイン会場内に多数出展しているマーケットワゴンやキッチンカーで、NT$150(二ュー台湾ドル。約700円)分の金券として使えます。

マーケットエリアには、今年4月に台湾東部で発生した地震によって被害にあわれた農家の方々が、農作物を販売されているコーナーや、地元ローカル料理を含めたキッチンカーが並んでいます。
そんな中から、地元のローカル料理と肉料理を選び、メインステージ前に用意されたテーブル席へ向かいました。
そこには、多くの一般来場者に交じって、顔なじみのPacific Cycles社の社員の皆さんや、既に定年退職された、元社員の方々も来られて、このイベントを楽しんでいます。

残念ながら、進行が全て中国語の為、何を言っているのか全く分かりませんでしたが、最前部のステージ上では、ライドに参加したゼッケンを使った、大抽選会が行われていて、多くの参加者が様々な景品を受け取っています。

そして、本日のライドの総走行距離により、NT$353,690(ニュー台湾ドル、約164万円)分の「サポーティブ」商品の寄贈が行われることが発表されると、大きな拍手が起こりました。

初めて参加させていただきましたが、一企業の主催するイベントとしては、規模やホスタビリティーを含めて、相当にレベルが高く、フレンドリーでとても心温まるイベントでした。
機会があれば、また参加したいと思います。