台湾渡航記 2021年3月 中編

台湾渡航記 2021年3月 中編

新型コロナウィルスの影響で、大幅な入国制限の

かった台湾への渡航記、中編です。
今もまだ、「ホテル検疫」のため、桃園国際空港近くのホテルに滞在中です。

PCR 検査の結果も陰性となり、3月31日に成田空港から台湾の桃園国際空港へと向かいました。
前回の海外出張が、昨年2月末に打合せのために2週間ほど訪れた台湾でしたから、一年以上ぶりの成田空港です。

成田空港

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過今回のフライトには、2020年12月から台北-成田間に就航を始めた、台湾の新興エアライン「スターラックス航空」を選びました。
多くのフライトが欠航となっている成田空港は、予想通り、閑散としています。
搭乗前の手続きが、増えていると聞いていたチェックインカウンターに列は無く、待つことなくチェックイン手続きです。
通常の手続きに加え、陰性証明書を提示して、すんなりと手続きは終了しました。

最後に、「入境檢疫系統(Quarantine System for Entry)」に関する、中国語と英語で書かれた用紙を渡され、「スマートフォンで QR コードを読み込み、表示されるページに、搭乗までに登録を済ませ、申請終了画面のスクリーンショットを撮り、保存しておく必要がある。」と説明を受けます。
このスクリーンショットを見せないと、搭乗できません。
出国手続き後、搭乗ゲートまで行ってから、椅子に腰かけて入力を始めました。

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過日本で使っているメインのスマホと、台湾用のサブスマホの二台持ちなのですが、どちらで入力するのがいいのか、まず迷いました。
今回は、日本でも電波を拾える台湾用スマホで入力しましたが、結果的に、どちらでもよかったようです。

入力画面も、中国語と英語のみ、英語部分も単に中国語を置き換えた単語が書かれているだけで、「入境檢疫システムの全容」や、専門用語を理解していないと意味不明な箇所が多く、想像以上に手間取りました。
フライト便名や座席番号、台湾入国後の「ホテル検疫」で滞在するホテル名、住所も入力する必要がありましたが、滞在する「防疫ホテル」を登録する箇所に、二種類の選択があり、自分の予約したホテルが、どちらにあたるのかと、ホテルの住所を入力する箇所の選択リストに、自分のホテルの住所が、町名以下がない点が、特に困りました。
わからない箇所は、搭乗カウンターのスタッフに確認しながら行いましたが、JALの職員が代行しているためか、スタッフ自体もあまり詳しく無く、2割位は想像で入力、搭乗開始ギリギリに何とか入力を終えました。

「スターラックス航空」

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過今回、初めて利用した「スターラックス航空」は、流行りの LCC ではなく、「台湾のエミレーツ航空」を目指しているという、フルサービスキャリアです。
さすがに機材も新しく、中央の通路両サイドに3席が左右に並ぶ、エアバスのコンパクトな機体は、内装もホワイトとブラウン基調の落ち着いた配色です。
乗客は20名程しかおらず、自分の席の並びに乗客はいません。

客室乗務員全員が、制服の上から防護服を着用、防護用手袋とゴーグルも着用してサービスを行っています。
機内サービスは、標準的で、機内食はシンプルながら味はまずまず、勿論お酒も注文できました。
新興企業で、新型コロナウィルスの影響が直撃であろう状況の中、成田への就航を開始し、運航を続けている姿に感謝するとともに、状況が落ちついた後、改めて利用したいと思いました。

桃園国際空港

過去に何度も利用してきたこの空港も、様相は一変していました。
飛行機を降りると、携帯電話用の台湾 sim を持っているか否かで、二列に分けられます。
私も日本でメインに使っているスマホとは別に、台湾用のシムフリースマホと、チャージ可能なプリペイドタイプの台湾 sim を持っていましたが、1年以上台湾へ行けていなかったこともあり、台湾 sim の期限が切れていたため、今回新たに契約をする予定でした。

台湾 sim

事前に調べて、入国手続き前に、台湾 sim の特設ブースがあることを知っていたので、持っていない人の列に並び、私の番になり、特設ブースへ行き、いつも購入している「Taiwan mobile」の購入を申し込むと、取扱いが無いと言われます。

「Taiwan mobile」のプリペイド sim は、台湾滞在中に、番号に対してアカウントを作っておくと、日本からインターネット経由でチャージできるため、使用期限の6カ月の間に、チャージをすれば、番号の保持を6カ月ごと延長できます。
(昨年、このチャージを忘れたため、失効してしまったのですが・・・)

2021年1月1日から、「中華電信」「Taiwan mobile」のプリペイド sim 共に、使用期限の延長ができなくなったようです。

仕方なく、台湾携帯最大手「中華電信」の sim を「30日間データ使い放題」で契約して、その場で開通確認まで行いました。

入境檢疫系統(Quarantine System for Entry)

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過開通を終えると、既に次のセクションの担当官が横に立っていて、片言の日本語で通路横の小さなカウンターに一緒に行くよう即されました。
「英語で大丈夫ですよ。」と伝えると、流暢な英語で、空港からの移動手段の確認と、搭乗前に登録した情報に対して、ショートメッセージが届いているはずだから、開くよう指示されます。

この時、ショートメッセージが見つからなかったり、受けとれていない場合は、担当官の持つ QR コードを読み込み、出てきたページに、自分のパスポート番号の下6桁を入力すれば、成田で入力した自分のページにアクセスできます。

開いたメッセージに記載のリンクを開くと、今取得した台湾 sim の電話番号を入力する欄があり、そこに番号を入力すると、完成した長い書類が表示されました。
担当官の説明によると、書類は前半と後半に分かれていて、前半はこの後通る「検温セクション」で、後半は「防疫タクシー」乗り場で必要になるから、個別にスクリーンショットを撮って保存するよう指示されました。
担当官は、保存したスクリーンショットを確認すると、今登録した番号に、明日台湾の警察から確認の電話か入ること、体調に不調が発生した場合は「1922」番に電話で報告するよう告げ、終了です。

次の検温のセクションで、今保存した前半ページを提示すると、ガンタイプの検温機で額の検温を受け、すぐに通過が許可されました。

その後、通路を進むと、通常のパスポートコントロールです。
いつも長い列を作っているこのセクションも、数人しか居なかったため、殆ど待つこともなく、いつも通りパスポートの確認と入国カードの回収、顔写真撮影、指紋の登録を終え、入国完了です。

階下へ降り、手荷物受け取り所へ向かうと、既に荷物は出てきていて、コンベアを回っていたのでこれを受け取り、申告物無しの税関を通過して出口へと向かいました。
ここまで、飛行機を降りてから、25分位だったでしょうか。

「防疫タクシー」

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過海外から到着した人は、空港から目的地への移動に、MRTなどの公共交通機関の使用はできず、知り合いに迎えに来てもらうか、指定された「防疫タクシー」を利用する必要があります。
桃園国際空港の到着ロビーに出ると、いつもは、到着した乗客と迎えの人々で混雑しているロビーも閑散としていて、そんな空間に「防疫タクシー」乗り場の、大きな案内板だけが目につきます。
その案内板の通りに、左手の扉から空港を出ると、「防疫タクシー」の受付カウンターがありました。

カウンターに立つ女性スタッフに、目の前に停車しているタクシーの横に、手荷物を置くよう指示されました。
先ほど完成させた書類の後半ページを、彼女に提示すると、そこには私に関する情報と、今日から宿泊する「防疫ホテル」の情報が記載されており、その情報を元に、待機していたタクシードライバーに、中国語で何やら指示すると、指示を受けたドライバーは、私の手荷物に、大量のアルコールを霧吹きで吹き付けてから車に積み込み、私の方へ近づくと両手を横に挙げるよう身振りで伝えてきて、それに従うと、これでもかと言わんばかりに、正面から大量のアルコールを吹き付け、反対側を向くよう言われ従うと、今度は背中側から、更には、しょっていた PC の入ったバックパックを持ち上げて、背中とバックパックの間にまで「冗談でしょう?」と言いたくなるレベルの量のアルコールを、吹き付けられました。
アルコール消毒を終えると、後部座席に乗るよう指示され、タクシーへと乗り込みました。

ドライバーも乗り込み、私の「防疫ホテル」をナビにセットすると、空港を後にし、20分程でホテルに到着しました。
タクシーから降りて荷物を降ろすと、ドライバーは、私が座っていた後部座席に、また大量のアルコールを吹き付け、拭き上げていました。

空港内も含めて、台湾到着後のすべての対応は、「コロナを絶対に持ち込ませないぞ!」という、気概に満ちていて、それが現在の感染者の少ない状況を作り出しているのだろうなと、頼もしくさえ思えました。

つづく