Type FOLDING のシートポジション

2001年の発売開始以来、Tartaruga Type FOLDING

は、その独特のコンセプトと、乗車姿勢がもたらす、新鮮な走行感覚で、発売から20年近くたつ今でも、多くの方々から驚きと称賛をいただいております。

この間、様々な場面で、直にお客様方に接し、乗りこなし方の説明を行ってきた経験をもとに、今回と次回の2回に分けて、Tartaruga Type FOLDINGのシートポジションと、その乗り方について、お話をしたいと思います。

適応身長について

皆様それぞれ、身長と足の長さのバランス等異なりますので、適応を保証するものではありませんが、Tartaruga Type FOLDINGにお乗りいただける、お客様の適応身長は、設計上150㎝ ~ 180㎝で考えられています。
この様に特殊な乗車ポジションを、ワンサイズのフレームで、上記適応身長をカバーする為に、様々な個所にポジション調整が行える機構を備えています。
特に、シート部分に関しては、発売以降3度の設計変更を行い、2005年から採用している現行の第三世代のシートでは、より細かなポジション調整が行えるようになっています。

サドルの角度

乗車姿勢に関しては、ライダーの皆様それそれで、好みのようなものが強く出ますので、最終的には、それぞれの好みを優先すればいいと思いますが、弊社推奨の乗車姿勢、特にサドルの角度について説明します。
サドルの取付け角度に関しても、現行シートでは、大きく調整が可能となっています。
絵面的にみると、サドル上面が水平になる様にセッティングするのが、良さそうに思えますが、実際にこのセッティングだと、ペダルを漕いでいくと、お尻が前方向に滑って行ってしまう傾向がでます。

私の推奨のサドル角度は、ちょうどサドルの取付け用レールと、シートポスト上部のサドル取付け部のTOP面が平行になる様にセッティングします。
結果的に、サドルがかなり前上がりの状態で取付くことになります。
このサドルが前上がりになる事で、サドルの上にお尻がすっぽりと収まる様になり、とても安定したペダリングが可能となります。

Tartaruga Type FOLDING をお持ちで、このサドルポジションをお試しで無い方は、是非一度お試しください。

その他の調整ポイント

Tartaruga Type FOLDING のポジション調整は、シートポストのクランプ部のQRを緩め、サドルの高さを調整する事で、基本的な調整を行います。
更に、サドルの高さの調整後に、様々な個所での微調整が可能です。

背もたれの前後調整(上下調整も)

背もたれ部のメッシュを、取付けているフレーム(シートバックと呼びます。)の取付け部には、カセット状のアルミブロックが付属します。
このブロックは、通常背もたれフレーム(シートバックサポートと呼びます。)の後方に取付けますが、シートバックを固定するビッグスクリューを緩め、カセットを抜き取り、シートバック直後に挿入すると、シートバックが前方へ15㎜押し出されます。
たった15㎜前方へ押し出されるだけですが、実際にサドルに座ってみると、上体の起きた、かなりアップライトポジションとすることが可能です。
こちらの選択は、お好みでどうぞ。

また、シートバックサポートに空いた、下側の穴を使用して、シートバックを取付けると、背中ではなく、腰をサポートするポジションとなります。
こちらの選択もまた、お好みでどうぞ。

サドルの前後調整

サドル下の取付け部ネジを緩めると、前出の角度調整も可能ですが、合わせて、専用サドルの長いサドルレールを活かして、大きく前方への調整が可能です。
どちらかというと、背の低い方向けの調整部分となりますが、Tartaruga Type FOLDING のポジションは、サドルとシートバックの相関関係で作られますので、調整してみると新たな発見があるかもしれません。

ハンドルの調整

いわゆるハイライズ型のハンドルバーを採用している為、ステムとハンドルバーとの固定部のネジを緩めると、ハンドルポジションも前後大きく調整できます。
横から見た際に、ステムとハンドルのライズ部がまっすぐになる位置を、標準としていますが(この位置関係の時、折畳み時の収まり、特に厚み方向のサイズが、最もコンパクトになります。)、ご自身の手の長さに合わせて、適正な位置に調整が可能です。

また、ここに、ハンドルポジションチェンジャーを挟むと、ペダリング時の膝用のスペースを拡張する事が可能で、180㎝を超える高身長の方や、足の長い方にお勧めです。

次回は、具体的な乗り方に関するお話をしようと思います。