薄く折畳む

2001年に発売を開始した、Tartaruga Type FOLDING

は、今年で発売開始から20年を迎えます。
この商品の開発ストーリーの詳細は、既にこちらでお話しした通りです。
「Type FOLDING = 折畳み式」と商品名に冠した商品は、簡単な操作で、わずか数秒で折畳むことができます。

簡単に、薄く折畳む

当時の私が、初めて挑んだ折畳み自転車ということもあり、頭を駆使して、その目指すべき方向性を思案したわけですが、構想の初期段階から、「簡単に、薄く折畳む」事は、心に決めていました。

折畳み自転車の開発に挑むきっかけともなった、その当時、所有していた「ホンダ・ラクーンコンポ」を含め、メインフレームの中央付近側面に、折畳むためのヒンジがあり、横方向にフレームを折畳む商品が主流でした。
実際、折畳みの構造としては、とても手っ取り早い手法ではあることは、当時の私にも理解はできましたが、専用パーツを多用して、折畳んだ際のサイズを最優先にした、一部の商品を除くと、この方法では、折畳んだ際の厚みが出てしまうことが、どうしても気になったからです。

また、実際に「ホンダ・ラクーンコンポ」を折畳む際、車両重量があることもあり、折畳む操作自体が、やり辛くもありました。
これらの経験から出てきた方向性が、「簡単に、薄く折畳む」だったわけです。

縦に折畳む

この思いを解決する手法として、「縦に折畳む」ことを目指すことにしました。
様々な試行錯誤の末、トップチューブ(メインフレームの上側のパイプ)を、上へポンと持ち上げると、前後の車輪が転がりながら、前後フレームが自然と移動して折畳まれて、そのままロックが掛かるという、折畳みの操作自体も簡単になることにも気が付きました。
少ない力で、わずか数秒で折畳みができる「Type FOLDING = 折畳み式」の名に恥じない、現在の折畳みシステムに行き着きました。

転がし移動

さらに、折畳んだ後は、車両に装着されている車輪を使って、ハンドルを持ち、そのまま転がして移動することも可能です。
Type SPORT の「イージーローラー」を含めて、転がすための補助的な車輪を、別途装着するのではなく、車両が従来備えているタイヤを使って転がせる点は、転がし易さを含め、大きなメリットといえます。

玄関での保管もらくらく

薄く折畳むことを目指した結果、ペダル部の出っ張りを除いたフレーム部分は、15㎝程の厚さに、簡単に折畳むことが可能です。
薄く折畳めることで、邪魔になりにくいため、玄関での保管もらくらくです。
また、シート部分を取り外すタイプの折畳み方法ですので、シートを一緒に保管することも可能ですが、室内の別な場所に分けて保管することも可能です。

そのままでも十分に薄さを実感いただけますが、ペダルを、MKSのEzyペダルなどの、着脱式の物に交換してやると、その薄さは更に強調されます。

Type FOLDING で実感した、「薄く折畳める」ことの重要性は、後に開発したTartaruga Type SPORT にも活かされています。