腰にやさしい脱力系

「Emotional Design Studio」

を名乗る、弊社の真骨頂ともいえる、「気持ち」をデザインする手法の基盤を育んだのは、前職「ナムコ」勤務時代の経験によるところです。
製品を構成する様々な要素を最適化して、これを組み合わせることで、ライダー（プレイヤー？）に、感覚としてご享受いただけるよう、工夫を凝らしています。

「感覚」を形に

Tartaruga Type FOLDING では、前回お話しした、折畳みの基本構想に加え、風の流れを全身で感じられる、違和感のない乗車姿勢と、「リカンベント」の持つペダリング時の高いエネルギー効率を取り入れた、背もたれ付きの「シート」。
通常の自転車の場合、どうしても前傾姿勢になりがちな乗車姿勢と異なり、背もたれに上体を預けることでもたらせる、開放的で開けた「視界」。
低重心で、低く押さえられた目線位置により、レーシングカートに乗ってサーキットを走行した際にも感じた、乗車時の路面の近さが生み出す実速以上の「体感スピード」。
などがこれにあたります。

これらの要素を、誰にでもより解りやすく取入れたいと考え、「リカンベント」と「ママチャリ」のハイブリッド的な製品を目指し、これを実現できたと思います。
走行時に、視界に飛び込んでくる景色は、これらの要素と相まって、何物にも似ていない、独特の感覚をもたらしてくれます。

予期しなかった効果

こうして完成したTartaruga Type FOLDING ですが、発売後、オーナーになられたエンドユーザーの方々から、様々なご感想が寄せられました。

Tartaruga Type FOLDING に乗っていれば風や、太陽の光を正面から一杯に浴びることが出来る。そうすると不思議に自然のエネルギーを受けているのか、気持ちも明るく、元気になってくる。

帰宅中タルタルーガをこぎながら、「あ”～」という不気味な声を漏らしていた自分に、ギョッとしたことがある。この声は、温泉に浸かる時に自然に出る、あの声だということにしばらくあとで気が付いた。タルタルーガに乗ることは私にとって、湯治と同じぐらい気持ちがいいもので、おそらく癒しになっているに違いない。

といったご感想は、私が商品に込めた感覚を、十分にご理解いただけている証かと思います。

また、私の予期していなかったご感想も、多くいただきました。
特に、私が驚いたのは、首や腰にトラブルを抱えていらっしゃるお客様たちからの、喜びのご感想でした。

長年ロードレーサーに乗ってきたが、年を取ったせいか、首がしんどくなってきたのでリカンベントスタイルの車両を探していて、Tartaruga Type FOLDING にたどり着いた。

腰痛がひどくなり、大好きな自転車に乗ること自体をあきらめていたが、御社の Type FOLDING なら乗れるのではないかと購入して乗り始めたところ、まったく問題なく走行できた。そればかりか、歩くのもきつかった腰痛が改善された。その様な「効能」がある商品なのですか？

勿論、そのような「効能」を目指して開発を行った商品ではありませんが、この様な感想をいただけるのは、とても嬉しく思います。
結果的に、「腰にやさしい脱力系」の乗り物と、ご購入いただいた方々から受け入れているからです。

今年は、例年にないくらい桜の開花が早く、多くのエリアで満開の時期を迎えています。
桜並木を、Tartaruga Type FOLDING で桜を愛でながらのんびり走れる、最高の時期ですので、ご試乗を含め、是非お楽しみに下さい。