オーストリア(ハルシュタット)2002 後編
世界遺産にも登録された、「世界で最も美しい湖畔の街」
と呼ばれる、美しい景観の街「ハルシュタット」に到着した私は、街の中心部にあるツーリストインフォメーションに直行しました。
明るいうちに到着したかったのは、このツーリストインフォメーションが閉まる前に着く必要があったからでした。
今ほどインターネットが普及する前は、これが当たり前の宿探しの手法でした。
ここでも、予算と滞在期間を告げて、宿を照会してもらいました。
紹介された宿は、中心部から湖畔沿いに1㎞程離れた住宅地にある、個人宅の離れでした。
大家さんに挨拶して、案内された離れは、綺麗に手入れされた大きな部屋で、大家さんの住む母屋からも十分距離もあり、とても快適な環境です。
荷物をおいて、早速、街を散策に出掛けました。
まずは、あのポイントへ
湖畔沿いの道を街まで戻り、まずは、機内で見たあの写真を撮影したであろうポイントを探すことにしました。
写真に写っている、建物の位置関係から方向を推測して、ドンドン進んでいくと、この辺からかな?と、思われるポイントが見つかりました。
振り返ってそこから見た景色は、正に、機内で見たあの写真の構図で、持参したデジカメで、我を忘れ、何枚も写真を撮影しました。
その後も、このポイントには滞在中何度も足を運び、光の加減で表情を変える街の写真を、何枚も撮影しました。
ハルシュタットってどんな街?
この景色を見ることだけを、目的に来てしまっていたので、早々と目的を達成した私は、それから改めて、街中が絵になる景色だらけの、この街について調べることにしました。
「るるぶ」記載の小さな記事と、ツーリストインフォメーションでもらった、英語の案内をたよりに、情報を集めると、この街には世界最古の「岩塩鉱」があり、古代から「塩」の街として栄えていたそうです。
その岩塩の「坑道」を使った、ツアーが開催されていることを知り、参加することにしました。
宿の近くから、山頂行きのケーブルカーもありましたが、ハイキングルートを歩いて山頂まで登りました。
中腹にある、展望台を兼ねたレストランで、絶景を眺めながら軽めのランチを取り、更にハイキングコースを進んで、山頂に到着すると、岩塩抗への入り口がありました。
チケットを購入すると、ツアー参加者全員が、専用の「つなぎ」に着替えさせられます。
訳の分からないまま着替えて、ガイドについていくと、坑内はひんやりした空気に包まれていました。
更に進んでいくと、ライトアップされた坑内の所々に、蝋人形を使った当時の採掘の様子の展示があり、ガイドが説明してくれます。
更にすすむと、巨大な木製滑り台が現れました。
「キャーキャー」と奇声を発しながら、一人ずつこの滑り台を滑って行きます。
こんな滑り台が、ツアー中2ヶ所用意されていて、その為の「つなぎ」への着替えだったことを理解します。
薄暗い地下坑道内にある、結構な長さの滑り台は、シンプルなのにとても特別感があって面白く、私も含め、参加者全員が大喜びでした。
クリッペンシュタイン山の絶景
別な日には、ハルシュタットからバスに乗り、オーバートラウン村のロープウェイ麓駅まで行き、そこからロープウェイを乗り継いで、標高2,109mのクリッペンシュタイン山の山頂駅に到着しました。
更にそこから山頂まで20分ほど歩くと、眼前にダッハシュタイン連峰の山々と、氷河が飛び込んできます。
山頂のこんなところにも、小さな教会が建っていて、その小さな教会と背景の壮大なコントラストが、まるで絵画の様でした。
しばらく、何もせずこの雄大な、360度の絶景パノラマを堪能しました。
山頂の反対側へ歩いていくと、ハルシュタット湖と宿のある街も、見ることができました。
これは、本当に来て良かったと思える景色でした。
初めてのヨーロッパ一人旅となった、この「ハルシュタット」への旅は、すでに17年近い歳月を経た今でも、その景色を強烈に覚えている程、印象深い旅となりました。
番外編につづく
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