イタリア 2007 中編(ベローナ、ビチェンツァ)
2007年8月30日~9月2日に開催された、
ユーロバイク2007後に行った、「イタリア」旅のつづきです。
ローカルワイナリーを満喫したあと、皆でランチを食べて、この街を出発する予定でした。
ワイナリー滞在中に、ライアンに、ドイツでの急な打合せが入った為、彼はその場でエアーチケットの手配を行い、その日の午後、ベローナからフランクフルトへ飛ぶことになりました。
この時、初めてLCCと「ライアンエアー」の存在を知ります。
驚愕したのはその価格で、僅か20ユーロ程(3,000円位)で、ドイツへ飛べます。
ローカル食堂での極上ランチ
すこし早めのランチをとるべく、安田さんおすすめの、地元食堂へ向かいました。
開けた草原の中に、ポツンと建つそのトラットリア(食堂)は、既に多くの地元客でにぎわっていました。
ここのおすすめは、「トルテッリーニ」と呼ばれる、薄く伸ばした正方形の生地に、肉や野菜など色々な素材を詰めた、ラビオリのようなパスタ料理との事で、オーダーは全て安田さんにお任せしました。
運ばれて来た皿は、お店の雰囲気から私が想像していたものとは異なり、極少量のラビオリ状のパスタが、チョコンと盛られていて、一人一口分ずつ取り分けると、終わってしまう程のボリュームでした。
「たったこれだけ?」
思わず心の声が漏れた私に、「別な味の、別な皿がすぐきますから。」と、安田さんが間髪入れず補足してくれました。
その言葉に安心して、取り分けられた一粒を口にしたとたん、「うめ~~」と絶叫そうになります。
安田さんの説明通り、次々と運ばれてくる、チーズやポルチーニ茸など具の異なる皿は、すぐに我々の胃袋の中へと、吸い込まれていきます。
どの皿も、取り分けた後の皿を、綺麗にナメ回したくなるほどの美味で、最初に感じた「足りるのか?」との不安をよそに、あっという間に満腹になってしまいました。
2年後の再訪を果たした際、この食堂でもう一度食事をしたくて、レンタカーで1時間ほど探し回りましたが、安田さんが帰国後だったこともあり、辿り着くことができず、大きな心残りとなっています。
今でも、数ある好きな食べ物の中で、是非もう一度いって食べたい皿の、上位に君臨しています。
ステインの友達を訪ねる
大満足のランチを終え、安田さんを家まで送り別れを告げ、ライアンをベローナ空港へ送り、彼とも別れました。
今回決めていた予定は、ここまでの二日間だけで、急遽ライアンが抜けて2人旅となったこの後の予定を、空港近くのカフェでステインと話し、「ビチェンツァ」(ベローナとベニスの中間あたりの街)の郊外に住む、ステインのアメリカ人の友達「エド」を訪ねてみようと、ステインが電話してみたところ、「今夜は、泊まっていきなよ。」とのお誘いまで受けました。
因みに、この時点では、私は彼に会った事すらありません。
「エドって、どんな奴なんだ?」と、ステインに尋ねると、「‘怪物’みたいな風貌だけど、いい奴だよ。」と返ってきました。
電話で聞いた住所をたよりに、細い田舎道を抜けて、エドの家に到着しました。
玄関まで迎えに出て来てくれた「エド」は、ステインの説明通りの、とても「いい奴」で、突然の訪問だったのにも関わらず、我々をこころよく迎えてくれました。
米軍関連の仕事をしている奥さんが、近くのNATO軍基地に勤務している都合で、「ビチェンツァ」に住んでいる事など、お茶を飲みながら、色々な話をしてくれました。
「この吉松は、食べる事が何よりの楽しみなんだよ。」と、ステインが、私を紹介したこともあり、「今夜は、ちょっとへんぴな山奥の店だけど、おすすめのレストランがあるから、そこで食事しよう!」と、何とも魅力的なエドからの提案に、「いいね!」と即答をした二人でした。
山奥のレストン
夕暮までは、近くを散歩しながら、写真を撮ったりして過ごし、これから出勤だという奥さんを残し、エドの車で夕飯へと向かいました。
彼の運転するフォードの小型車は、少し荒れた山道を、どんどん奥へと進んでいきます。
「ホントにこんな山奥に、レストランなんかあるのか?」
「本当は、俺たちを山奥に連れ出して、喰おうとしてるんじゃないのか?」などと、ケラケラ笑いながら、後部座席でステインと冗談を言っていると、小一時間程で、山奥の小さな開けたスペースにある、レストランに到着しました。
残念ながら、どこにある何という名前のお店かは、全くわかりません。
店内は、結構広めの明るい空間で、とてもあの山道の先にあるお店とは思えません。
メニューを見ると、それ程高くもないお店だったので、久しぶりに前菜、1の皿、2の皿、デザート、締めのカプチーノまで、フルコースでいただく事に。
メインは、エドおすすめの「フィレンツェ風ビフテキ」にしました。
どのお皿も、間違いのないお味で、楽しい食事の時間はあっという間に過ぎていきます。
何より「エド」との出会いと、彼なしでは絶対に来られなかったこのお店との縁に、心から感謝したひと時でした。
帰宅後も、お酒を飲みながらの3人の会話は、夜遅くまでつづきました。
つづく
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