台湾出張 2024春

台湾出張 2024春

2018年3月から、100本を目指して始めた当ブログ

ですが、前回のブログでめでたく200本目となり、今回が201本目の寄稿となります。
今回は、今年(2024年)2月1日から3月21日の期間で行った、台湾出張に関するお話です。

Pacific Cycles 社「Section Zero」の仕事

タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024これまでにも、何回か当ブログでもふれていますが、2000年からお付き合いを始め、弊社製品の生産を全て委託しているのが、台湾のPacific Cycles社です。
今では、このPacific Cycles社社長直轄の開発部門「Section Zero」のメンバーとして、Pacific Cycles社と、その取引先の様々な企業の製品開発の、デザインと設計も担当しています。
ただ、取引先から依頼されたプロジェクトに関しては、その殆どが「秘密保持契約書」に基づく案件の為、口外することができません。

「Section Zero」の詳細については、別の機会に改めて書きますが、普段は私の住む日本と台湾の間で、オンラインミーティングと3D CADデータのやり取りで、仕事を行っています。
とは言え、顔と顔を突き合わせて仕事をした方が、圧倒的に効率的ですし、試作の制作とかになると、Pacific Cycles社へ行き、ケンケンガクガクするのが一番です。
そんな事もあり、例えば昨年は、年間4ヶ月以上を台湾で過ごしていました。

旧正月

20年以上、台湾へ行き来しているわけですが、今回初めて「旧正月」期間中の台湾に滞在しました。
長期休暇(今年のPacific Cycles社は、11連休でした。)となるこのシーズンの訪台は、今まで避けてきたのですが、担当している Pacific Cycles 社のプロジェクトを、「TAIPEI CYCLE 2024」に展示するには、「旧正月」明けからの訪台では、間に合わないだろうという事が、その理由でした。
(最終的に、担当したプロジェクトは、ブース内のミーテングルーム内で、各国のディストリビューター限定での公開となったため、こちらに関してもまたの機会に。)

タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024初めて体験した、台湾での「旧正月」は、色々な意味で、驚きと不便のオンパレードでした。
Pacific Cycles社の「正月休み」期間中も、私は一人オフィスへ出社して、仕事を続けたのですが、最も困ったのでが、大好きな「ローカル食堂」の殆どが、一週間以上店休となるため、初めて台湾でコンビニ弁当や、カップラーメンを食べて過ごす羽目に。
ただ、そんな生活は3日程で限界を迎え、営業している店を見つけると、今まで入った事の無い、あらゆる種類の「ローカル食堂」を試す事となりました。
「二度と行かない。」という店もありましが、逆にお気に入りリストに加えた店もあります。

タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024大型スーパーの売り場も、正月に使うのであろう「お札」の特設コーナーで、壁一面が赤色に染まっていました。

「TAIPEI CYCLE 2024」

タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024今回の出張のメインイベントが、3月6日~9日に台北の「南港エキシビションセンター」にて開催された、「TAIPEI CYCLE 2024」への参加でした。
昨年の「TAIPEI CYCLE 2023」に関しては、一年前のこちらの記事でレポートを書きました。
今回も、「TAIPEI CYCLE 2024」のレポートをメインにしたお話をと考えていましたが、3年ぶりに開催された、昨年の「TAIPEI CYCLE 2023」に比べ、今年のショーは、世界的な自転車市場の低迷を受けてなのか、今ひとつ盛り上がりに欠け、残念ながら興味を引く新製品の展示も、あまりありませんでした。
その為、急遽内容を変更して、今回の台湾出張「全般」に関するお話とさせていただきました。

Pacific Cycles ブース

タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024Pacific Cycles社のブースには、以前私が担当した「MOOVE」という電動アシスト車をベースに、最新のBosch社製の小型モーターユニットを搭載した車両と、この車両を活用したシェアーバイクプログラムの紹介がメインでした。

今年の傾向

「e bike」が主流という流れは、相変わらずで、今年もバイクパッキングを含む「グラベルロード」と「セミカーゴバイク」というカテゴリーの出展が多く感じられました。
とは言え、これらの潮流は、既に数年前の「ユーロバイク」(ドイツで開催の自転車ショー)でも同様の流れがあったため、「なぜこのタイミングで?」というのが、私の率直な感想です。
それ位、これからやるべき事が見つからない、各メーカーのジレンマの表れとも取れます。
以前にも書きましたが、この流れは2005年に弊社が発売した「Tartaruga Type SPORT」で、表現した世界ともいえます。

その他のブランドで、気になった製品

Fairly

タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024車両に関しては、上記画像の電動スクーター以外の車両は、いまひとつでしたが、ブースのカラーリングと、展示車両のカラーリングの統一感という意味で、「Fairly」のブースには好感が持てました。

ケーブルガイド

タルタルーガ自転車TAIPEICYCLE2024こちらの小さなパーツが、今年の「TAIPEI CYCLE 2024」で、私が最も気に入った商品です。
フレームに、ケーブル類を這わす際のガイドパーツです。
一般的に、「ブレーズ溶接」(ロウ付け)でフレームに取り付けるのですが、通常の「ブレーズ溶接」では、作業員が両側からバーナーで炙りながら、ロウ(溶接棒)を溶かし入れながら作業を行います。
この時、余分なロウが流れ出るため、作業終了後に流れ出たロウを除去しながら、表面を整える作業が必要となり、これが結構な手間になります。

しかし、このパーツを使うと、最適な量のロウが予めケーブルガイドに装着されている為、熱を加えるだけで、余分なロウが流れ出ることなく、「ブレーズ溶接」ができるという優れものです。
年配の女性が、一人で切り盛りする、小さなブースでしたが、思わず「頭いい!」と言葉が出てしまう程、画期的なパーツでした。

以上、今年の「TAIPEI CYCLE 2024」と台湾出張のレポートでした。