台湾渡航記 2021年3月 後編

台湾渡航記 2021年3月 後編

新型コロナウィルスの影響で、大幅な入国制限の

かった台湾への渡航記後編です。
長かった入国後の「ホテル検疫」を終え、Pacific 社内のオフィスでこのブログを書いています。

「ホテル検疫」

14日間(実質15泊16日)の「ホテル検疫」といいうのは、さすがに過去に経験がありませんでした。
一度入室すると、廊下を含め、この間一歩も部屋の外に出ることができません。
この規定を破ると、最高100万 New台湾ドル(約390万円)の罰金が科されます。
故に、事前に、可能な限りの準備を行ってきましたが、それでも不安は尽きませんでした。

まず、ホテル選びに苦労しました。
「ホテル検疫」は、政府の認定した「防疫ホテル」に滞在する必要があります。
外国人の場合、滞在費用は全額自己負担となります。
「ホテル検疫」中、部屋から一歩も出られない訳ですから、ホテルのロケーションが、駅近などの好立地である必要は全くありません。
そこで、空港や Pacific 社から近い大きめの街ということで、「桃園市」での滞在計画を立てることにしました。

台北など、一部の大都市の「防疫ホテル」は、日本の旅行代理店等でも取り扱いはありますが、地方都市となると、殆ど情報がありません。
「防疫ホテル」を中国語で「防疫旅館」と書くことを知り、「防疫旅館 桃園」で検索を掛けて出てきた台湾のWebサイトから、色々と検索して、今回滞在したホテルを見つけました。
ホテルを選ぶ際の条件にしたのは、
– 長期滞在に、何より大切なお日様が拝めるよう、大きな窓があり日当たりがよさそうなこと。
(台北などのホテルでは、窓無しの部屋もかなりの確率で存在します。)
– 一日3回の食事付きなこと。
– あまり高額でないこと。
の、3点でした。

運よく、希望条件に合致したホテルを見つけて、台湾に住む友人を通して、直接予約を取ることができました。

予約が取れると、友人からホテルの LINE アカウントの QR コードが届き、これを自分のアカウントから読み込むと、ホテルと直接やり取りができる様になりました。

この LINE を通して、「できるだけ日当たりが良くて、静かな部屋をアレンジしてください。」とリクエスト送ると、「できるだけ要望に沿えるよう努力します。」との内容の返信がありました。

507号室

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過到着したホテルで、チェックインを済ませると、「お部屋は507です。こちらの用紙の説明を読み、毎日、朝夕の二回検温してください。あと、これが今日の夕飯です。」と、数枚の書類と、むき出しのお弁当を1個渡されます。
「荷物で両手がふさがっているので、いったん部屋へ行ってから、取りに戻ってきます。」と伝えると、「一旦、部屋行かれたら、もう降りてくることはできませんよ。」とフロント。
「じゃあ、どうすればいいの?見ての通り両手が塞がっているんだよ。」と、私。
「では、これをお使いください。」と、手提げタイプの小さなレジ袋に、書類とお弁当を入れて、渡してくれました。

最後に「部屋のカギは?」と、たずねる私に、「カギはありませんよ。」と、微笑みながら返されました。
「部屋から一歩も出られないんだから、カギはいらないでしょう!」という意味の様です。
確かに!

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過エレベーターで5階へ向かい、507号室のドアを開けると、少し古さは感じられるものの、想像していた以上に広くて立派な部屋でした。
間接照明が埋め込まれた、天井の高い、22畳ほどの広さで、ダブルベッドが2台余裕で並んでいます。
ベッドの1台には、掛布団は無く、シーツを被ったマットレス状態で、エクササイズのエリアとし活用できそうです。
また、バスルームも6畳ほどの広さがあり、ここなら十分ゆったりできるかも、と思わせてくれました。

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過正面には大きな窓があり、昼間は日当たりも良く、窓の手前には、奥行きは短いものの、幅広の机も備え付けられており、持参したパソコン類をセットアップして、2週間限定の簡易オフィスも完成です。

差し入れ!

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過今回滞在しているホテルは、宿泊客からのリクエストによる、買物の代行はしてくれません。
予約後、最初に送られてきたメーㇽに、明記されていました。
(この辺の対応は、ホテルごとで異なるようです。)
その代わり、知り合い等からの「差し入れ」は、部屋の前まで届けてくれる、ともありました。
そのことを、台湾に住む友人ステインに事前に伝えておいたところ、私がチェックインするより先に、ホテルのフロントに、私の大好きな「台湾ビール」や「おつまみ」などを、差し入れしてくれいて、到着時には507号室に、既に運び込まれていました。
Dank u wel!!

途中、「台湾ビールがもうすぐ無くなそうだよ。」と伝えると、追加の差し入れもしてくれました。ありがたい限りです!

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過また、もう一つ驚いたのが、ホテルのある「桃園市」政府から、チェックイン翌日のお昼に、大きな手提げ袋いっぱいの、物資の差し入れがあり、「お茶」や「スナック」、「マスク」に「体温計」など、様々な物が入っていました。
この「桃園市」政府からの差し入れは、一週間後に、もう一回ありました。
市民でも何でもない私に対して、なんて「いい国(街??)」なんでしょう!

健康状態の確認と報告

チェックイン翌日のお昼には、桃園警察から健康状態の確認の電話が、台湾スマホあてに入りました。
翌日以降は、「厳重特殊伝染性肺炎中央流行疫情指揮中心」(略称:CECC)から、毎日ショートメッセージが入るので、必ず回答するように。また、体調に不調が発生した場合は「1922」番に電話で報告するよう指示されました。

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過翌日からは、午前10頃に毎日 CECC からのショートメッセージが届き、自分の状態に該当する番号を押して、返信します。

また、それとは別に、ホテルのチェックイン時に渡された、検温表に、毎日朝夕の二回検温した結果を記載し、その下に検温した体温計の表示が写るようにスマホで撮影して、LINE で送る必要もあります。
送るのを忘れていると、「送ってください。」と催促のメッセージが、LINE に届きます。

日本から持参したモノたち

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過この「ホテル検疫」に備え、日本からインスタントみそ汁とカップ麺、コーヒー、お茶漬け、カップスープ、チョコレートなどの食材を持ち込みました。
「ホテル検疫」の食事は、基本「お弁当」が想定されたからです。
その他、洗濯物を干すハンガーと体温計、簡単なエクササイズ用のゴムバンドも持参、どれも持ってきて良かったと思えるものばかりでした。

ホテル滞在中は、洗濯も部屋で自分でやる必要があります。
外出もせず、人と会う機会もないので、基本Tシャツと短パンでずっと過ごしました。
ドライ素材のTシャツと下着2セットを、シャワーの際に交互に洗い、軽く絞ってからバスタオルで挟んでもみほぐすと、大方の水分は抜けるので、持参したハンガーに掛けて、窓際に下げておくと、直ぐに乾きました。

食事

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過一日3回の食事は付いていますが、ホテルスタッフとの接触を避けるため、定時になると、部屋のドアの前に設置された小さなテーブルに、朝は「軽食」、昼と夜は「お弁当」が置かれ、「お食事をドアの前に置きました。ドアを開けて受けとってください。」という中国語のメッセージが、LINEで届きます。

見てくれは別として、どの食事も、味はとてもおいしいのですが、いかんせん「冷めている」のが、なんとも味気ありません。
部屋には、湯沸かしポットはありますが、電子レンジはないため、持参した「インスタントみそ汁」や「カップ麺」を組み合わせていただきました。
ただ、さすがに1週間、冷たい「お弁当」が続くと、気持ち的にちょっとゲンナリしてきました・・・

救世主

タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過タルタルーガ自転車台湾渡航コロナ過食事の時間が、苦痛になり始めたため、何か対策はないかと思案して、デリバリーを試みることにしました。
台湾には、早くから「Uber」もありますが、ネット検索の結果、今は「foodpanda」というサービスの方が、熱いという情報を得、早速台湾スマホにアプリをインストール、アカウントを作って、取寄せてみたところ、20分程で商品がホテルのフロントに届くと、ホテルのスタッフが、部屋の前の小さな台まで届けてくれました。

デリバリーが可能なことが分かり、その日からは定期的に活用し、「温かい、本物の台湾フード」を、検疫中も食べられるようになったことで、一気に気持ちも楽になりました。

「ホテル検疫」を終えて

本当に長かった「ホテル検疫」を終えて、今は一週間の「自主健康管理」期間中です。
「ホテル検疫」終了後も、さらに一週間は、公共交通機関の利用や、大規模イベントへの参加は控えなければなりません。
CECC からのショートメッセージも、この間は届くので、回答する必要もありますが、温かい食事を毎回取れるのは、何よりの喜びです。
ホテル滞在中も、インターネットを利用して外部とも連絡が取り合えたので、デザイン等の仕事も普通にできました。

最初の1週間程は、一日がとても長く感じましたが、「foodpanda」を利用するようになったあたりから、次第に慣れても来ました。
楽しい経験ではありませんでしたが、ある意味、とても貴重な経験ともなりました。