EUROBIKE 2023

EUROBIKE 2023

只今、「EUROBIKE 2023」見学の為、ドイツの

フランクフルトに来ています。
今回は、「EUROBIKE 2023」のレポートを、現地からお伝えいたします。

2001年から参加を続けていた、EUROBIKE でしたが、新型コロナパンデミック騒動の影響で、2021年から3年間参加を見送る羽目となっていました。
昨年は、何とか参加を画策したのですが、エアーチケットのあまりの高額さに、泣く泣く参加を諦めた経緯があります。

しかもその間に、開催地が長年通っていた「フリードリッヒスファーフェン」から、「フランクフルト」のど真ん中にある「フランクフルト メッセ」へと会場が移ったため、何もかもがリセットされた展示会となり、更に長年続いてきた、Pacific 社のブース出展も、フランクフルトに移った昨年から見送られたため、初めてブースの無い、一般ビジターとして参加するショーとなりました。

「フランクフルト メッセ」

昨年から移った新会場は、フランクフルト中央駅から駅で2つ目、5分程で到着する「メッセ駅」に直結した、「フランクフルト メッセ」です。

以前よりは、日本からの移動も含め、会場へのアクセスは、はるかに楽にはなりましたが、リゾート地でもある「フリードリッヒスファーフェン」で開催されていた、あの独特の「のんびり、ゆったりムード」の方が、正直言って私は断然好きです。

フランクフルト

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023会場となるフランクフルトには、過去に数回来ていますが、いつも近隣にある「ダルムシュタット」にステイした際に、夕飯や買い物に来ていた程度だったので、都市自体の事はよく知りませんでした。
今回は、Pacific社のマイケル社長らと共に、フランクフルト中央駅のすぐ近くのホテルに滞在した為、フランクフルトの実態を、まざまざと観せられる事になりました。

ヨーロッパの中でも、最も安定していると思っていたドイツのメインシティーの中央駅周辺で、普通にドラッグディーラーが商売をしていて、多くの「物乞い」と「ジャンキー」のいる様には、ただただ驚くばかりでした。

今回のコロナパンデミックや、ロシアの戦争の影響から、この様な状況になったのかと思いましたが、こちらの友人達に尋ねると、「以前から、中央駅周辺だけはそうだよ。夜は出歩かない方がいいよ。」との事でした。

EUROBIKE 2023

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023前置きが長くなり過ましたが、ようやく本題です。
ユーロバイクの前売りチケットを購入すると、フランクフルトからメッセ駅までの電車、トラムのチケットも付随してきます。
当日券は、ビジネスデーの3日間使える「3Days pass」 が、160ユーロ(約25,000円)と、とても高額です。
事前購入した前売りチケットでも、「3Days pass」は、97ユーロでした。

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023巨大なメッセ会場のホール、8、9.0、9.1、9.2、11.0、11.1、12.0、12.1に加えて、メッセ内の野外に設けられたデモ会場まで使ったショーは、まるで迷路の様で、メチャクチャ見辛い構成でした。

今年の傾向

あいも変わらず、E-Bike(電動アシスト)と、カーゴバイクのオンパレードで、電動ユニットの付属していない自転車を探すのが、難しい状況です。
ただ、今年の「台北ショー」のレポートでも書きましたが、どの電動ユニットも小型化が進み、中には電動アシスト車である事を、疑うレベルの商品も、ちらほら現れて来ています。
また、結果的に「単車」(モーターサイクル)のみならず、「自動車」との境もドンドン薄くなって来ている事を実感します。

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023また、「電動キックボード」の展示も相当に増えていました。
今回、4年ぶりにドイツへ来て、最初に驚いたのが、街中にシェアータイプの「電動キックボード」の貸出し所が至る所に有り、それなりに街中を走っている事でした。
私の記憶では、2019年に幾つかの国で大変なブームが有り、その年に訪れた「スペイン」で目にした、多くの電動キックボードが街中を行き交う、交通手段の革新を感じさせるその光景は、今でも強烈に記憶に残っています。
しかし、同時に、多くの歩行者との接触事故も、その時目にし、その後各国とも「大幅な規制」に乗り出した結果、「電動キックボード」は、ほぼ世界中の市場から消えたと認識していたからです。
今年の7月から、日本でも公道走行が正式に認められる道交法の改正も、単に、どこかの闇の圧力によるものだと理解していました。
ただ、今回のドイツの路上と、ショーの展示内容を鑑みると、あながち、闇の力だけでは無いのかもしれません。

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023
我らの「OSTRICH」伊美社長も、出展されておられました。
多くの中国系企業が、大きく立派なブースを出展しているのも今年の特徴で、その他では、フランス企業が多数でグループ出展していたり、インド系企業の出展も多く観られました。

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023もう一点、強い印象を受けたのが、小径車両の展示が、以前に比べて圧倒的に増えていました。
これは、とても大きな転換に感じられます。
今までの20年近く、ヨーロッパの多くの市場から、「石畳の多いヨーロッパでは、タイヤサイズは26インチ以上ないとダメなんだよ。」と言われ続けてきたからです。

自分なりに、このムーブメントの原因を考えましたが、一つには、中国系企業の展示が増え、アジアマーケット向けで開発した商品が、展示された事が考えられます。
それとは別に、ここ10年程で、メジャープレイヤーに躍進した「カーゴバイク」の存在です。
荷物を多量に積載して走行する必要があるカーゴバイクにおいて、「低重心化」はとても重要な要素となります。
その結果、多くのカーゴバイクのメジャーブランドが、20インチ程の小径ホイールを採用して、それらの製品が実績を残した結果、「小径、いいじゃん!」的な理解が、マーケットで進んでいるのではないかというものです。
完全に私個人の、独断と偏見での見解ではありますが、いい線行っているのでは無いかと思います。

デモエリア

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023野外のデモエリアでは、別途受付をする事で、多くの車両に試乗ができます。
このデモエリアのコースを、様々なE-Bikeが入り混じって走る光景が、ホール内の通路から見えるのですが、未来都市の交通を観ている様で、とても楽しかったです。

今回のショーで気になった商品達

「ca go」

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023今回のショーで、そのスタイルと完成度で、群を抜いていたのが、この商品です。
ビールケースが運べる、ロアーカーゴ部(ここだけで、積載重量30kgまで可能)は、しっかりと低重心化が図られていて、十分な実用性が確保されています。

「winther kangaroo DOG」

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023正統派カーゴバイクとも言えるこの商品は、カーゴ部の中央付近にヘッドチューブが有り、カーゴ部後方のハンドルで操作する、昔ながらの構成ですが、そのスタイルの美しさで、他社最新のカーバイクと比較しても引けを取らない存在感がありました。

「pfautec Scoobo+」

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023「あれ、Type FOLDING のトライク?」と思わず思ってしまった、トライク(三輪車)です。
実は、以前 Type FOLDING のトライクを企画した事があるのですが、これより遥かにかっこよかったです。

「GinkGo」

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023ショー会場内の「START UP」 コーナーにあった、こちらの商品は、「カーゴバイクでも、スポーツを!」がコンセプトの様で、一見普通のカーゴバイクに見えますが、後ろで流れているビデオでは、無茶苦茶な事をやっていて、それが面白かったので取り上げました。
興味があったら、是非ググってみてください。

「Affenzahn Fahrrad」

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023子供向けの超可愛いこちらの商品は、可愛いグラフィックに似合わず、結構かっこいいフレームデザインです。
更に驚いたのは、このメインフレームは、プラスチックの一体成型でできていました。

「HOPPER」

タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023タルタルーガ自転車EUROBIKE2023既に「自動車?」のこちらの商品は、ペダルを漕ぐ事でスピード調整を行う構造のれっきとした、E-Bikeです。
ワイパーまで備わった、前輪2輪、後輪1輪の、3輪構成で、後輪で操舵します。

こうしてリストアップすると、殆どがカーゴバイクですね・・・
それほどに、E-Bikeの方は、どれも似たり寄ったりの商品が多く、「お~これは凄い!」と思えるモノがなかったように感じます。

以上、現地からのレポートでした!