飛行機輪行 後編(海外編)

飛行機輪行 後編(海外編)

「Type SPORTの飛行機輪行」に関するお話のつづき

今回は「海外編」です。
Tartaruga Type FOLDING 開発以来、弊社製品の生産を、一貫して依頼している、台湾のPacific Cycles 社の出展するブースに、ジョイントするという形で、2001年から、海外で開催される国際的な自転車展に、弊社も参加するようになりました。
ここ十数年は、Pacific 社に、展示会出展用の展示車両を預けておいて、Pacific 社の展示車両と一緒に、各会場へと送ってもらう様になりましたが、2001年からの数年は、毎回、展示車両1台を、私が日本からハンドキャリーしていました。
この時の経験が、私の海外輪行のベースになっています。
ただ、こちらは展示用車両なので、現地で乗って旅をするという機会は「まれ」でした。

北米

北米へも2001年以来、何度か車両を持って行っています。
完全な展示会の「ユーロバイク」に比べて、北米への目的は、「新規取扱店の開拓」を目的としていることもあり、訪ねた販売店の店主に乗ってもらったり、現地で試乗会を開催したりするため、実際に自分も街を走り回る事になります。
具体的には、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンノゼ、サンフランシスコなどです。

北米に輪行する際に、特に注意が必要なのが、9.11以降、セキュリティーが強化されたため、色々な場面でTSAによる「手荷物を開けての検査」が、我々の知らない処で実施されるという事です。
過去に往復する間に、同じ荷物が4回開けられていたことがありました。

国内線輪行との違い

前回説明した、国内線利用の飛行機輪行との決定的な違いは、経由地を含む、各空港での手荷物の「扱い」の違いになります。
日本の空港では、「これは自転車です」と明記された手荷物は、「それなりに慎重」に扱ってくれるので、「イージーフォールディング + イージーキャリーバッグ」という、楽々スタイルでの輪行が可能なのですが、海外の空港で働く人々が、こういう感覚を持っているかと言うと、必ずしもそうとは限りません。
むしろ、作業の効率最優先で「手荒」に扱われたり、最悪の場合「放り投げ」られたりするケースも、充分想定されます。

流石に「放り投げ」られても大丈夫なパキングというのは、難しいですが、これらを想定して、可能な限りダメージを受けにくい形でパッキングを行い、手荷物として預ける必要があります。
その為、フルフォールディングを行い、可能な限りダメージを軽減できるようなパッケージが理想となります。

Type SPORT の専用カートンボックスを利用する

タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行私が実践して、最もおすすめの方法が、こちらになります。
弊社製品は、Pacific 社で製造して、コンテナ、倉庫管理、お店への出荷を安全に進めるために、各製品にフィットした、専用設計の段ボール製のカートンボックスに入れて出荷しています。
タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行Type SPORT の場合、両サイドのペダルと、ハンドルのステム、前後ホイールのQRレバーを抜いて外して、フルフォールディングを行った上で、各パーツの接触が無いように、ペーパーやクッション材を、隙間に詰めながらパッキングを行い、最終的にはタイラップ(結束帯)で各部を固定して、カートンにボックスに収めています。

タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行このパッキングを参考に、もう少し簡易的にパッキングを行った状態がこちらの画像になります。
フルフォールディングを行ったフレームを真ん中に、両サイドに適当なサイズにカットした段ボールを当て、その外側にホイールを納めています。
リアキャリアーを装着している場合は、こちらも二本の取付けネジを外して、事前に取外しておきます。
あとは、取外した全てのパーツを、エアーパッキン(プチプチ)でくるみながら、隙間に詰めていけば、完了です。
(Type SPORT の専用カートンボックスは、ご購入時に入手されるか、ご購入店様にご相談ください。)
パッキングを終えたカートンボックスは、市販のキャリーカートを利用して運ぶと便利です。

フルフォールディング + Type S専用輪行バッグ

タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行Type SPORT の専用カートンボックスの入手や、現地での保管が難しい場合、フルフォールディング + Type S専用輪行バッグをご利用いただく事になります。
通常利用時よりも、フルフォールディング後の車両に対して、エアーパッキンなどを利用して、保護を追加してご利用ください。

チェックインカウンターでは

タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行搭乗の際に、チェックインカウンターにて、手荷物として折畳んだ車両を預けるとこになりますが、利用する航空会社により、自転車の扱いが大きく異なります。
LCCを除き、アジア系の航空会社の多くが、各チケットの手荷物重量規定内であれば、無料で預けることができるのに対して、多くの欧米系の会社は、「スポーツ用品」としての扱いとなり、高額な追加料金を請求される場合がありますので、事前に必ず確認をすることをお勧めします。
いずれの場合も、万が一搬送時にダメージを受けても、航空会社が免責となる事に同意する書類に、サインする必要があります。

注意点

– タイヤの空気は、必ず抜きましょう。
(国際線は、国内線より飛行高度が高くなるため、気圧変化によりパンクするリスクが上がります。)
– 携帯ポンプと簡易工具の携帯が必至となりますので、車両と一緒に預けましょう。

タルタルーガ自転車TypeSPORT飛行機輪行くどいようですが、世の中「絶対に大丈夫」という事はありませんので、ここに書かれていることを参考に実践されて、万が一大きな破損等に合われても、残念ながら責任は取れませんが、今回のお話が、皆様が「飛行機輪行」を実践される際の参考や、きっかけになれれば幸いです。