台湾渡航記 2021年3月 前編
ただいま、弊社製品の生産をお願いしている Pacific 社
の仕事と、今年6月に生産予定の弊社製品の最新ロット生産立ち合いのため、Pacific 社のある台湾に来ています。
新型コロナウィルスの影響から、現在、台湾では入国後14日間(実質15泊16日)の「ホテル検疫」が義務付けられているため、3月31日に入国して、4月15日までの「ホテル検疫」で、桃園国際空港近くのホテルに滞在中です。
台湾への渡航準備
この20年間、年2~3回位の頻度で訪れていた台湾ですが、現在、世界一新型コロナウィルスの侵入を防いでいる国としても、有名になっています。
その様な国への、アジア圏では比較的感染者の多い、日本からの渡航となるため、様々な困難は、容易に予想できました。
また、台湾では状況に合わせて日々規則のアップデートが行われているため、入国に関する最新の情報収集にも、結構てこずりました。
私の様に、台湾への渡航が必要な方の参考になればとも思い、今回このお話を書いています。
台湾就労許可証
従来90日間以内の台湾滞在には、VISA 無しでの渡航が可能でしたが、現在数日の短期滞在の場合でも、VISA の取得が必要で、更に、私のように30日以上の滞在となると、VISA を申請する際に、台湾労動部発行の「就労許可証」の原本が必要でした。
この「就労許可証」は、訪問する台湾企業(私の場合は Pacific 社)が申請して取得しますが、10種類以上の書類を提出する必要があり、その中には、訪問者である私の「パスポート」、弊社の「登記簿謄本」、弊社社判のある「出張命令書」の、各スキャンデータが含まれます。
台湾では、今年の1月1日から原則外国人の入国禁止措置がとられ、1月中旬には、Pacific 社のある桃園エリアでのクラスターの発生により、Pacific 社も海外からの顧客の来社を禁止する措置が取られたため、私が申請を開始した1月は、最悪のタイミングでもありました。
2月初旬にはこの状況も落ち着きだし、春節(旧正月、今年は2月10日から16日まででした。)入りの直前に、台湾労動部に申請書類を提出、そこから、二回の申請修正を指示されます。
そのうちの一回は、提出した弊社の「登記簿謄本」と「出張命令書」の、中国語訳の提出依頼でした。
最終的に、3月16日にようやく台湾での「就労許可」がおり、「就労許可証」の原本が18日に Pacific 社に届き、EMS にて私宛に送ってもらい、22日に手元に届きました。
VISA申請
VISA の申請は、台湾の大使館にあたる「台北駐日経済文化代表処」で行います。
私の住む神奈川県と静岡県民は、横浜にある「台北駐日経済文化代表処 横浜分処」での申請となります。
こちらも、新型コロナウィルスの影響を受け完全予約制となっており、しかもかなり混んでいて、2月5日に予約の電話を入れて、1カ月以上先の3月9日の申請予約が最短日で取れました。
結果的に、十分な期間が取れているはずでしたが、肝心の「就労許可」がなかなかおりず、その旨相談して、キャンセルではなく、特別に申請日の延期でご対応いただき、「就労許可証」が Pacific 社に届いたタイミングで、原本をスキャン後 PDF 化したものをメールで送ってもらい、プリントアウトしたものを添えて3月22日朝一番で申請、VISA 受け取り時に、原本の提出というご対応をいただきました。
ご対応いただいた「台北駐日経済文化代表処 横浜分処」のスタッフに、改めて感謝いたします。
VISA 申請には、「就労許可証」の原本の他に、既定サイズの「写真」2枚と「パスポート」、「航空券の予約確認書」、専用の Web サイトから制作する「VISA 申請書」を持参する必要があります。
「VISA 申請書」は、英語で書かれた各ページの指示に沿って入力をしていき、最終的に台湾側のサーバーに申請書が保存され、その内容が2ページ分の PDF にまとめたものが表示され、これをプリントアウトして、所定の欄に直筆サインをして持参します。
一応、日本語での記入方法の説明ページが用意されていますが、記入項目の追加や、一部説明と異なる箇所もあり、内容を正確に把握しながら記入を終えるまで、1時間近い時間を要しました。
「台北駐日経済文化代表処」に問い合わせができる、申請日前日の昼間までには、制作しておくべきでした。
申請自体は、10分もかかりませんでした。
台湾政府からの「就労許可証」がすでに出ていることもあり、2日後には「就労許可証」の原本を持参したうえで、VISA の張られたパスポートを受けとることができました。
「PCR 検査」
その他の台湾入国の条件として、「出発日からさかのぼって3営業日以内に行った PCR 検査の英語で記載された渡航用陰性証明書」の取得が義務づけられています。
この「出発日からさかのぼって3営業日以内」とは、具体的にいつなのかが明確でなかったため、VISA 申請時に「台北駐日経済文化代表処」に確認をすると、「出発日の前日から数えて、土日を含まない三日間」という意味で、私の場合、搭乗日の31日が水曜日なので、前の週の金曜日までが、対象になるとの回答でした。
PCR検査と、英語で記載された「渡航用陰性証明書」を取得する必要があるのですが、「渡航用陰性証明書」は限られた病院でしか取得できず、かなり割高な費用がかかります。
検査と「渡航用陰性証明書」の発行で50,000円と高額な病院もある中、16,000円と(それでも割高に感じますが)、私が調べた中では、最安の神田にある診療所で検査を受けました。
ネットで日時を選択して申し込むと、申込時に登録したアドレスに、メールが届きます。
そのメールに記載のリンクから、オンラインで問診を行い事前登録します。
申し込んだ26日の午前11時15分に診療所へ行き、免許証を提示したうえで受付を終えると医師の待つ部屋へ通され、そこで唾液を取る小さな容器を渡され、医師の目の前でマスクの下から容器を口に近づけて、「唾液」を採取、採取した量を医師が確認後、容器に蓋をして医師に渡して終了です。
時間にして3分間くらいの検査でした。
その日の夕方には、メールで「陰性」との結果と、PDF 化された「渡航用陰性証明書」が届きました。
正直、ここまでやって、結果が「陽性」だったら目も当てられないなと、一抹の不安があったので、ホッと胸をなでおろしました。
これで、ようやく台湾へ渡航できます!
つづく
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