「レ・ジェ」で挑んだダウンヒル 2005 その1
私が Tartaruga Entertainment Works を立上げた
2001年以降、Pacific Cycles 社のブースに、弊社製品も展示するというスタイルで、ドイツで開催される「ユーロバイク」に毎年参加しています。
「ユーロバイク」は、ドイツ南端のスイスとオーストリアと国境を接するボーデン湖畔の街、フリードリヒスハーフェンにある、巨大なメッセ会場で開催されるため、毎年この街へ通っていることになります。
日本から、この街にあるローカル空港への直行便は無いため、フランクフルトかミュンヘン、もしくはチューリッヒへ飛び、そこから陸路かフェリーで、この街へ入るのが一般的です。
せっかくだから・・・
日本からフランクフルトへ、直行便で飛んでも13時間位、旅費を抑える為、経由便を使うと20時間位掛かり、フリードリヒスハーフェンへの移動に、更に数時間掛かるのが通常です。
これだけの時間と経費をかけて、行くわけですから、「ショーが終わったら、直ぐに帰国というのはもったいない。せっかくだから、見聞を広げる為、近隣の国々を巡ってみよう。」という欲求が、自然に頭をもたげてくるわけです。
初めて参加した2001年こそ、初めての参加という事もあり、8月末からの「ユーロバイク」終了後、すぐに帰国して、9月下旬からの「ミラノショー」に再度渡欧と、実に非効率な動きをしてしまいましたが、この失敗を教訓に、2002年からは、このヨーロッパ出張を積極的に活かす(楽しむ?)スタイルへと、路線変更を行い、勿論ユーロバイクへの出展という事が、メインの目的ではありますが、今では、「今年は、何処へ行こう・・・」という点も、とても大きな目的になっています。
こういった旅のお話も、こちらで時折しようと思い、今回は2005年に行った、フランスとスイスの国境近くにある、バイクパーク「レ・ジェ」のお話をしようと思います。
ダルムシュタット
フランクフルトにほど近い、ダルムシュタットという街に、birdy等で日本でも有名なブランドr&m社があります。
Pacific HOTELで友達になった、当時r&m社のデザイナーだったステイン・デフェルムもこの街に住んでしたので、展示車両をハンドキャリーしてきた私と、同じ位の時間帯で、アメリカから到着したライアンを、フランクフルト空港まで、彼ご自慢の黄色いバンで迎えに来てくれ、その日は、彼の友人クリストファーの住む、フライブルクへ移動して、その街に宿泊しました。
バイクパーク「レ・ジェ」ヘ
翌朝早くに出発して、クリストファーと彼の友人も加わり、5人で一路「レ・ジェ」を目指しました。
朝が早すぎた為の眠さから、道中、ほぼ寝落ちしていたため、どういう経路を走ったのか、全くわかりませんが、ドイツからフランスへと入り、時折目を覚ましたタイミングで見える、車窓からの景色が、みるみると変わっていきました。
やがて、フランスの「レ・ジェ」に到着しました。
そこは、「レ・ジェ」を中心に、幾つかのコースがつながった、広大なバイクパークでした。
早速彼らは、ダウンヒルバイクを車から取出し、出発の準備が整うとゴンドラに乗込み、そそくさと出掛けていきました。
初日は一人でハイキング
ダウンヒルには、全く興味の無かった私は、1人居残り、周辺をハイキングして終日過ごすことにしました。
深い緑の丘陵に、まるで、ハイジが住んでいそうな、小さな家々が点在する集落があり、遥か遠くには、素晴らしい景観の山々が連なっている絶景は、それだけで大きな感動でした。
途中、休憩所らしき、小さな広場に置かれたテーブルで、持参したノートパソコンを開いて、急ごしらえの「Tartaruga アルプス支社」のアウトドアオフィスで、簡単な書類仕事をしたりしながら、アルプスの空気と景色を満喫しました。
その日の午後、合流予定の場所で待っていると、ステイン達が戻ってきました。
そして、一つの事件が発生したことを知らされます。
広大なこのバイクパークのツアー中、ライアンがはぐれて、スイス側の街「モルジャン」へ降りてしまい、戻ってこられなくなったのです。
そこで、山の裾野を大きく迂回して、1時間以上かけて車で迎えに行くと、お腹を空かせて、寒さに震えるライアンを見つけ、皆で「爆笑」しました。
キャンプ
レ・ジェまで戻り、クリストファーの友人だという、10代がメインの育成チームのメンバー数名も合流して、この日は皆でキャンプをしました。
テントサイトで夕飯を食べながら、日本にいては、想像もつかない規模のバイクパークで、今日撮影したという、多くの写真を見せられ、「明日は、俺もやってみようかな?」と私がつぶやくと、皆から「ヨシマツが? マジかよ! よし行こうぜ!」と背中を押され、翌日のダウンヒル挑戦が決まりました。
つづく
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