中古で購入するということ 前編

中古で購入するということ 前編

私は、昔から古着屋さん巡りを、時々します。

ダメージのある商品や、汚い商品は嫌いなので、ビンテージ的な物は買いません。
ファッショブランドの知識を、そもそも持ち合わせていないので、ブランドにも全くこだわりません。
単純に、色や柄、形が気に入った商品を見つけると、躊躇なく購入して、素材によってはドライクリーニングに出したりもしますが、殆どの場合、洗濯機で2〜3回ジャブジャブ洗ってから、お気に入として、日々愛用しています。
今、私の一番お気に入りのシャツも、横浜の古着屋さんで、10年以上前に購入した「ハートプリント」のシャツです。

その他にも、鹿児島の実家に取付けたWi-Fi機器や、CD、ブルーレイソフトなど、オークションサイトや中古販売店で購入して、普通に愛用しています。

中古を購入するという事

フリマアプリの普及の影響等からと思われますが、この2〜3年で、「中古で商品を買う」ということに対する、世間一般の皆様の認識が、明らかに変わったなという事を、日々の暮らしの中で実感します。
自分自身、元々前出の様な感覚の持ち主なので、「中古品を購入する。」ということ自体に対しては、特にネガティブなイメージはありません。

「自転車を中古で購入する。」という事

そんな私ですが、こと弊社製品を含む「自転車を中古で購入する。」という事に対しては、それ程単純な事ではないと、常々感じています。
これは、決して、弊社が Emotional Vehicle Tartaruga シリーズを販売している事が、理由ではありません。

以前、メンテナンスの重要性について、お話した際にも述べた通り、弊社製品を含む自転車に、自動車やオートバイの車検のような、「法的に定められた」車両の点検がありません。
その車両の履歴は、その車両の最初の持ち主(ファーストオーナー)のみが、知っていると言う事になります。
ここで言う履歴とは、転倒や、事故にあった等、ネガティブな出来事や、ご入店でのメンテナンスを定期的に受けたか等の、コンディション維持の為の重要な情報を含みます。

衣類や家電と異なり、弊社製品は人が乗って操作を行う「乗物です」。
「自転車を中古で購入して、お乗りになる。」と言うことは、これらの履歴が、不明な状態の車両に、ご自分の「命を預ける」事になります。
こういった、リスクを十分にご理解した上で、それでもご自身の「自己責任」において、ご使用されると言う方に対しては、これ以上、何も申し上げるつもりはありません。

具体的な事例

タルタルーガ自転車ダメージ前出の通り、「中古で商品を買う」ということに対する、世間一般の皆様の認識の変化から、弊社製品を中古でご購入された方々からの、様々なお問い合わせが、事実、増えてきています。
ここでは、その幾つかの事例を紹介させていただきます。

搬送中の落下により、ダメージを受け、破棄した商品。

Tartaruga マエストロ在籍店からのオーダーを受け、弊社から出荷した商品が、お店に到着した時点で、シートチューブに大きな変形があり、シートポストが挿入できないとの報告が、マエストロからありました。
弊社では、台湾の工場での生産時に、シートチューブに関しては、実際にシートポストのダミーを挿入して、二重三重の確認を行なって出荷を行なっているため、弊社からの出荷時点で、この様な商品が混入していることは、基本的に考えられません。
追跡調査を行ったところ、弊社からの出荷時に利用したデリバリー業者が、搬送途中でカートンごと落下させて、その衝撃による変形だった事が判明し、この業者との協議後、業者が加入している保険で対応して、車両代金全額を弁償してもらいました。

その弁償に際して、破損した商品の所有権は、保険会社に移行します。
「移行後、この事故商品が市場に流れるようなことは、絶対にしないで欲しい。」と、お願いをしましたが、「この商品をどう扱うかは、保険会社の判断となる。」と回答されたため、一度保険を受取るか保留にして、再度検討を行いましたが、最上位モデルだったこともあり、損害が大きすぎるため、フレームナンバーを控えた上で、渋々保険対応を受けました。

お話が長くなりそうなので、今回は、ここまで。

次回に、つづきます。