Type FOLDING 専用フロントキャリアー

Type FOLDING 専用フロントキャリアー

2001年11月に発売を開始した、Tartaruga

Type FOLDING ですが、5年後の2005年9月に、初のメジャーアップデートを施し、「Ver.1.5」へと進化しました。
最も大きな改良は、前々回にお話した第三世代に進化したシート部分でした。
もう一点の大きな改良が、今回お話する「Type FOLDING 専用フロントキャリアー」の追加でした。

荷物をどうするのか

タルタルーガ自転車タイプFフロントキャリアー2005年7月に発売した、Tartaruga Type SPORTの開発過程において、普段使いの場面での、荷物の扱いに関して、スポットを当てて商品コンセプトを練った経験から、Type FOLDING のアップデートにも、この「荷物をどうするのか」という問いに関する私なりの回答を、盛り込むことを決めました。

重量配分の違い

Type SPORTの開発過程においては、リアキャリアーをメインと考えていましたが、Type SPORTとType FOLDINGでは、乗車時の前後ホールに掛かる、重量配分が全く異なります。
通常の自転車と同様、前後ほぼ均等なType SPORTに対して、Type FOLDINGの重量配分は、その独特の乗車姿勢から、リア側に70%近い加重の掛かる、「リアヘビー」となっています。
その為、これ以上リアへの加重、特にリアホイールのハブ軸以降に、加重すると、簡単にフロントが浮いてしまう事になります。

そこで、弊社の提供する純正キャリアーは、フロントキャリアーとすることを決めました。
フロントキャリアーを装着して、荷物を載せると、乗せた荷重がそのままフロント側へ掛かる為、Type FOLDINGのハンドリングが、より「しっとり」としたものに、変化する効果がある事も、実験の結果確認できました。

フロントキャリアーのポジション

フロントキャリアーの形状や、サイズに関しては、既にType SPORTの開発過程で煮詰められていたので、Type SPORT用のAタイプをベースとすることにしました。
ただ、その装着位置に関して、問題がありました。
Type SPORT同様、ヘッドチューブ両サイドに、ネジ穴を切った別パーツを溶接して、フロントキャリアーを装着する事になるのですが、ペダル位置が極端に前方向にあり、ヘッドチューブにも近い位置にある、その独特の形状から、ペダリング時の靴を履いた足と、フロントキャリアーが干渉しない、取付け位置を見つける必要がありました。

足のサイズと靴

ここで最も頭を抱えさせたのが、ライダーの足のサイズと靴の形状です。
ペダリング時に、ペダルにどう足をのせて漕ぐのかも含め、千差万別の為、常識の範囲内で(この基準も、とてもあいまいなのですが・・・)最も大きい足で、最も大きな靴を履いてペダリングした時に、フロントキャリアーと干渉しない、取付け位置を見つける為、身長185㎝のアメリカ人の友人(靴のサイズは30㎝!)に、彼の持っているもっと大きなスニーカーを履いてもらい、Type FOLDINGに乗せて計測を行い、データ化してこれを基準としました。
結果的に、とてもいいバランスのポジションを見つける事が出来ました。
こうして、Type FOLDING 専用フロントキャリアーは完成し、Type FOLDING Ver.1.5の発売と同時に、市場投入する事が出来ました。

荷物をどうするのか、とても重要だと思います。

裏技

タルタルーガ自転車タイプFフロントキャリアーここで、ひとつ裏技をご紹介しておきます。
Type FOLDING 専用フロントキャリアーを装着した、Type FOLDING を折畳んだで、専用輪行バックに入れるためには、毎回Type FOLDING 専用フロントキャリアーを取外す必要があります。
Type FOLDING 専用フロントキャリアーに付属の、4本のネジで直付けしていると、毎回この4本のネジを外す必要があります。
同様の理由から、Type SPORTには、「専用フロントキャリアーアダプター」というオプションパーツが用意されています。
こちらのパーツを装着すると、2本のクイックレリーズを外すだけで、簡単に専用フロントキャリアーの着脱が可能となります。

実は、この「Type SPORT専用フロントキャリアーアダプター」に付属の二本のパイプを、長さが80㎜になる様にカットすると、Type FOLDING に装着が可能となり、Type FOLDING 専用フロントキャリアーの着脱が、簡単に可能となります。