Tartaruga Type SPORT は どの様に造られるのか その3（最終回）

弊社のYouTube チャンネルで公開している

「Tartaruga Type SPORT How it’smade（Tartaruga Type SPORT は、どの様に造られるか）」と題したビデオに沿って、各製作工程の補足説明をメインに、Tartaruga Type SPORT Ver.1.5 が、どの様に製作されているかについての、お話の最終回です。
改めて、こちらの画像をクリックいただき、ビデオをご覧ください。
（今回は、2分経過あたりからの説明になります。）

前後フレームの組立て

リアフレームのメインピボット部に、ベアリングとスペーサーを圧入して、フロントフレームとの組立を行い、メインピボットがスムーズに稼働するとこを確認後、専用リアサスペンションを取付けます。

メインフレームの最終アライメント

組立てが終了したメインフレームは、アライメントテーブルにセットして、全数、最終アライメントを行います。
ここまで、フロントフレーム、リアフレーム毎に、個別にアライメント行って来ましたが、個別の僅かなズレが合わさる事で発生する微細な変形を、メインフレーム組立て後にアライメントを行い、確認しながら、必要に応じて微調整をおこないます。

リアタイヤを組付けた、最終確認

最終アライメントの修了したメインフレームに、製品で使用するものと同じリアホイールを組付け、リアホイールの着脱がスムーズに行えるか、全数検査を行います。
ここまで徹底的にアライメントを繰り返す事で、タイヤのセンターラインとフレームのセンターラインが、「ビシッ」と合致している事を御確認いただけるかと思います。

各パートの組立て

フロントフォークや、ハンドル部分など、アッセンブリーパート毎に組立てを行います。
フロントフォーク組立て終了後には、こちらも製品で使用するものと同じフロントホイールを組付け、フロントホイールの着脱がスムーズに行えるか、全数検査を行います。

ヘッドセット、フロントフォークの組立て

映像にはありませんが、最終アライメントが終了したメインフレームに、グレードごとに異なるヘッドセットの椀を、ハンドプレス機で圧入して、フロントフォークを組付け、フレームの組立てが完成します。
完成したフレームは、グレードごとに専用のラックに並べられ、組立てラインのコンベアセクションへと運ばれていきます。

組立てライン(コンベア)に流して、全てのパーツを組付け

BB部に、たっぷりとグリスを塗布して、BBを組付け、クランクセットを取付けます。

各種ケーブル類を組付けたら、パーツごとの各担当者が、必要なパーツ類を順番に組み付けています。
コンベアといっても、各担当者の作業を、確実に行うため、かなりゆっくりとしたスピードで流れています。

前後のブレーキや変速機などは、一度仮固定しておいて、それぞれの調整担当が、適正に作動するか確認しながら、調整を行っていきます。

全てのパーツの組立て終了後、前後ホイールを取外し、各種製品保護用のプロテクターを追加しながら、車両を「フルフォールディング」の状態まで折畳みます。

前後ホイールを、両サイドに結束バンドで固定して、パッキング完了です。
一台一台、専用のカートンボックスに収納して、全ての生産工程が終了。
コンテナへと積み込まれて出荷され、お客様のお手元へと向かいます。

ハンドメイド

ご覧いただきましたように、Tartaruga Type SPORT は、「ハンドメイド」と呼ぶにふさわしい、私の考え得る、全ての手間と確認を実施して、その生産を行っています。
特にアライメントに関しては、何かを溶接するごとに、細かな修正を繰り返し行い、溶接による変形を最小限に抑える事で、設計本来の機能を、量産する一台一台に実現しています。
ここまでの細かな作業は、生産効率が非常に悪い為、通常、量産工場では、やってくれないのが普通ですが、弊社製品の製造を行っているPacific Cycles 社では、その分コストはかかりますが、しっかりとやってくれるところが、とても特殊といえます。

そして、その膨大な手間を惜しまずかける事で、Tartaruga Type SPORT のあの独特の乗り味と使い勝手を、製品化しています。
全ては、私の考える、理想的な「乗り物」を、弊社製品にご興味をお持ちいただいた皆様に、お届けしたいとの思いからです。
実際の出来栄えは、是非皆様ご自身でご確認ください。