Tartaruga Type SPORT は どの様に造られるのか その2

Tartaruga Type SPORT は どの様に造られるのか その2

弊社のYouTube チャンネルで公開している

「Tartaruga Type SPORT How it’s made(Tartaruga Type SPORT は、どの様に造られるか)」と題したビデオに沿って、各製作工程の補足説明をメインに、Tartaruga Type SPORT Ver.1.5 が、どの様に製作されているかについての、お話の続きです。
改めて、こちらの画像をクリックいただき、ビデオをご覧ください。
(今回は、38秒経過あたりからの説明になります。)タルタルーガ自転車TypeSPORT生産

リアフレームのスポット溶接

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産リアフレーム用の各素材を、専用治具にセットして、スポット溶接(点付け溶接)による仮止め作業を行います。
セット作業自体にも手順があり、各フレーム素材が確実に治具にセットされて、カット面同士がしっかりと密着するよう、ラバーハンマーや圧着レバー等を駆使してセットを行い、全ての接合カ所をスポット溶接していきます。

リアフレームのスポット溶接後のアライメント

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産スポット溶接終了後、押さえるべき全ての重要ポイントのセンターライン、水平、垂直が出るよう、「アライメント」を行います。

リアフレーム本溶接

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産リアホイールが入る箇所に、変形防止の鉄製のスペーサーを入れ、ボルトとナットで固定後、熟練の溶接工により、リアフレームの本溶接を行います。
本溶接では、どこから、どの順番で溶接を行っていくか、決まった手順があり、溶接による変形を最小限に留めます。

リアキャリアーマウントの溶接

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産本溶接終了後、専用治具を使用して、リアキャリアーマウントをブレーブ溶接にて、ロウ付けを行います。

T4 熱処理

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産タルタルーガ自転車TypeSPORT生産Type SPORT のフレームには、7005というアルミ合金を使用しています。
溶接を行うと、その溶接を行った部分に、応力と呼ばれるストレスが蓄積されてしまいます。
この応力を開放して、同時にアルミ素材の再結晶化を行い、素材本来の性能を引き出すために、T4 と呼ばれる熱処理を行います。
この処理には、専用の巨大な「オーブン(窯)」に、本溶接の終了したフレームを並べて入れ、プログラミングされた高温加熱を、4時間程かけて行います。

熱処理後のアライメント

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産タルタルーガ自転車TypeSPORT生産T4熱処理後、本溶接と熱処理による変形を補正するために「アライメント」を行います。
T4処理後の一定時間、一時的にアルミ素材は柔らかいに状態になっているので、この間に行うパーツごとの最終「アライメント」です。

シートチューブのリーミング

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産最終的にシートポストが取付くシートチューブに、シートポストがスムーズに挿入できるよう、専用のリーマーを通して、内径を整えます。
映像にはありませんが、ヘッドチューブのフェイシングや、BB 部のネジ切等も行います。

フロントフォークの製作

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産タルタルーガ自転車TypeSPORT生産タルタルーガ自転車TypeSPORT生産Type SPORT の肝ともいえるフロントサスペンションには、とても高い製作精度が要求されるため、アルミ鍛造されたパーツを、一点一点CNCマシンにセットして、切削加工を行います。
下準備の終わった各素材に、特殊な接着剤を塗布して、専用の治具に一本ずつセットしてオーブンに入れ接着を行い、その後、各パーツのつなぎ目を手作業で研磨して、スムーズに仕上げます。

研磨による下地処理

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産全ての加工処理が完了したフレームは、表面を研磨して皮膜を取り除き、下地を整えます。

各種洗浄

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産研磨後、中身の異なる複数の水槽に順番に漬け、素材表面を更に整えた後、乾燥炉に入れて完全に水分を乾かします。

マスキング

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産可動部分の軸穴や、ネジ穴等、塗料が入るとまずい部分に各種マスキングを行い、塗装の下準備を行います。

塗装

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産タルタルーガ自転車TypeSPORT生産タルタルーガ自転車TypeSPORT生産マスキングを終えたフレームは、塗装コンベアのハンガーに吊るされ、塗装ブースへと入っていきます。
塗装ブースは二つに分かれていて、最初のブースでは「塗着効率」(塗料がフレームに着く効率)の高い塗装ロボットによる粗塗りを行い、次のブースでは、ベテラン職人の手吹きによる仕上げを行ったあと、焼付のためのオーブンへと入っていきます。
下地塗装から始まり、フレームカラーによっては、5層もの塗装を行うため、各層ごとにこの作業を繰り返していきます。

デカールの貼り付け

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産タルタルーガ自転車TypeSPORT生産塗装最終工程のクリアー塗装を行う前に、各種デカールを決まったポジションに張り付け、全てのデカールを張られたフレームは、再度塗装ブースへと入っていき、クリアー塗装が施されます。

各種ネジの取付けと、各種保護素材の取付け

タルタルーガ自転車TypeSPORT生産全ての塗装が終わると、フレームに標準装備の各種ネジや、プラキャップ等を取付け、フレームの傷つき防止のため、フィルムやペーパーを使って保護を行い、組立工程のあるフロアーに運ばれていきます。

つづく