EUROBIKE 2025

今年も、6月25日から29日の日程でフランクフルトにて
開催された、EUROBIKE 2025 に参加してきました。
今回は、EUROBIKE 2025 のレポートを、お伝えいたします。
今年は、コロナ騒動明けに、フランクフルトへと会場が移った後、初めてPacific Cycles 社独自ブースでの出展が再開され、その出展者として参加しました。
Pacific Cycles 社ブース
独自ブース出展が再開となった今回は、「MESSE駅」から直結の、ショーのメインエントランスから入って、最初の建屋「ホール8」に3コマのブースを構えました。
各ホールには、それぞれにテーマがあり、そのテーマに則した出展者が出展しています。
「ホール8」のテーマは「Mobility Solution, ECOMOBILITY, Urban Mobility…」などです。
電動ユニットの選択が可能なUrban Mobility シリーズ「CV200」、「CV160」をメインに、MOOVE、Carry ME、Carry ALL、REACHの展示を行いました。
特に、Carry ME、Carry ALLは、例年になく来場者の関心が強く、ヨーロッパ市場の変革を肌で感じる結果となりました。
今年の傾向
全体的に、EUROBIKE 自体が縮小した感は否めません。
ヨーロッパブランドの多くが、出展を取りやめ、代わりにアジア系、特に中国系の新興ブランドが多く出展していました。
春の台北ショーにも、ヨーロッパからの来客が、極端に減った印象でしたが、地元でもあるはずの EUROBIKE でも、減っているという事は、相当に市場が冷え込んでいるのでしょう。
逆に、中国系の新興ブランドは、ヨーロッパ人のスタッフを配置したブースと、ブランドロゴだけを観ると、ヨーロッパのブランドと見た目にほぼ差がなくなっていました。
商品的には、Eバイクとカーゴバイクのブームも落ち着き、まさしく次のトレンドを模索している感が、強く感じられました。
また、電動化が進んだ果てに、小型の電動車両(俗にいうマイクロモビリティー)とEバイクとの垣根がより曖昧になってきている印象です。
小径車も、ブームと呼べる程の増殖は有りませんでしたが、確実に一つのカテゴリーとして、市場に認知され定着してきた印象です。
その背景について、ヨーロッパの市場関係者に尋ねてみましたが、彼らの回答も、昨年のレポートで触れた、多くのカーゴバイクが小径を採用した結果、そのパフォーマンスが受け入れらたという私の仮説と同じでした。
気になった車両達
CONVOY E-TRAILER
START-UPコーナーに出展していたこの電動アシストトレーラーが、今回の EUROBIKE で、私が最も注目した商品でした。
自分が既に持っている自転車の後輪軸両端に、専用のアダプターを介して連結するトレーラーで、フレーム下に大型バッテリー、一輪の車輪にハブモーターを内蔵していて、電動アシスト化できるトレーラーです。
電動操舵式の一輪は、自転車のハンドル部に別途装着するセンサーユニットからの信号を Bluetooth で受信して、ハンドルの操舵角に応じた、適切なステアリング操作を瞬時に計算して、電動で行うことで、スムーズな追従を可能にしています。
トレーラー自体は、カーゴスペースとしても使用できるし、チャイルドシートしての活用も可能です。
発想と、テクノロジーが融合した秀逸な商品です。
Cogo Bolt Bikes
ボルトで組み立てられる、BMXスタイルのキッズ用バイクで、子供自らが自転車を組立てながらその構造を理解して、メンテナンスやカスタマイズの方法を理解しながら、長く使えるキッズバイクがコンセプトの商品です。
従来のキッズバイクは、修理が難しく、こわれたら廃棄することが多いという欠点を、独自のモジュラー設計でメンテナンスや、カスタマイズを親と一緒に子供自身が行い、より愛着の持てる自分の「作品」として昇華させるという発想と、独自形状のボックスフレームデザイン、特に後輪付近のロゴの表現が気に入りました。
MOCCI
グラスファイバー強化ポリアミドを使用した射出成型により、1フレームわずか45秒で生産できるため、大量生産と製造過程における大幅なCO2削減を実現した、ドイツの電動アシスト自転車ブランドです。
射出成型製の樹脂製フレームで、剛性を確保するために、メインフレームには無数のリブが設けられ、さらに外装の樹脂製パネルを外部からネジ止めすることで、簡易モノコック構造とすることで、実用的なフレーム剛性を得ているようです。
製品デザインはともかく、そのチャレンジ精神に一票です。
Fastport eQuad HONDA
都市部での宅配業務における、様々な課題可決を目的に開発された、ライダーがペダルを漕ぐ力を原動力とし、それを電動アシストで補助する1人乗りの配送用マイクロモビリティです。
このなりで、ペダルを漕ぐことで走行します。
各分の作りこみは、流石日本の誇るホンダ。
2026年夏から本格的な量産を予定しているそうです。
LAX CYCLES
フレーム一体型の特徴的な形状のフロントキャリアーを装備した、セミカーゴバイクです。
ドイツのフランクフルトでハンドメイドされているフレームセットで、なんといってもその形状の美しさと機能性を兼ね備えた、フロントキャリアーが特徴的で、強く印象に残りました。
Dynamic Drives Giessen INTELECTRA Cargo
昨年のショーで、私が最も気になったこちらの車両は、より洗練された最新の量産バージョンが展示されていました。
BIKE PACKING ‘RUFFBOXX’
ドイツある梱包材専門メーカーが提唱する、自転車専用のカートンボックスです。
俗にいう「バイクパッキング」ではなく、自転車自体の保管、または配送のための段ボール製のボックスを販売しているそうで、単純に「このような商品がビジネスになるんだ。」と感じました。
ECOMOBILITY
冒頭の「今年の傾向」でも書きましたが、電動化が進んだ果てに、小型の電動車両とEバイクとの垣根がより曖昧になってきている現実を、体現しているのがこの展示エリアでした。
ペダルすらない小型電動車が、数多くまとめて展示されていました。
中には、私の愛車「FIAT500」の先代でもある、1936年にデビューした「トッポリーノ」の、リブート版シティーコミューター電気自動車「Topolino」も展示があり、詳細を見ることができました。
これ、ちょっと欲しいかも!
以上、EUROBIKE 2024のレポートでした!
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