英会話 後編
2ヶ月間の英会話スクールでの訓練を終え
ユーロバイクショーに望むべく、ドイツへと向かいました。
ユーロバイクショーの開催される、ドイツのフリードリヒスハーフェンへは、日本からの直行便は無く、初めての海外ショーへの出展ということもあり、ルフトハンザ航空で成田からフランクフルトへ飛び、ルフトハンザの別便に乗り換え、フリードリヒスハーフェンまで飛行機で、向かいました。
英会話スクールでの訓練のおかげか、フランクフルトでの乗り換えや、機内でのCAとのやり取りも、これまでに無くスムーズに行え、翌日のブース設置を経て、ショーの初日を迎えました。
ユーロバイクショー開幕
Pacific Cycles 社のブースに置かれた、Type FOLDINGの量産サンプルは、人目を惹くようで、ブースの前を通過する人々の多くが立ち止まり、商品を観ています。
その都度、すかさず立ち上がり、特訓してきた英語での商品説明を私が始めると、一番びっくりしたのは、ジョージさんでした。
「ヨシマツさん、何で英語を喋っているんだ! この前会った時には、殆どしゃべれなかったのに‼」
こう尋ねて来たジョージさんに、「この2か月間、英会話スクールに通って、特訓をしてきたんです。」と答えると、「凄いじゃないか!」と、これまた一番喜んでもくれました。
実は、ジョージさんは、Pacific Cycles を起業するずっと前は、高校の英語講師をやられていたそうです。
こうして、商品説明を繰り返しているうちに、「詳しい話を聞きたいです。」という、お客さんが現れました。
「では、どうぞこちらにお掛けください。」と、ミーティングテーブルへの着席を進め、「どういった事を、御知りになりたいですか?」と私が尋ねると、「#%&*@>#$%=>%*$&・・・」と、早口でまくし立てる相手の話す英語が、全く聞き取れません。
明らかに、今まで聞いたことの無い単語を、ベラベラと話してきます。
殆どフリーズしそうになった私は、何とかジョージさんのヘルプをもらい、その場を切り抜けました。
「全く駄目だ・・・」
初めての海外ショー参加は、自分の英語能力の低さと、ビジネス英語の特殊性を、思い知らされることとなりました。
対応方法
8月末から始まったユーロバイクが終わり、一度帰国した私は、9月中旬からの「ミラノショー」に向けて、対策を考えました。
たった2週間で、ビジネス英語の習得は無理なので、録音ができるMDウォークマン(懐かしい!)を、新たに購入して、ミラノへと飛びました。
ミラノショー
前回同様、Type FOLDINGに興味を持ち立ち止まったお客さんに、片っ端から声を掛け、「修行」を積むがごとく、英語での商品説明を繰り返しました。
おかげで、商品説明は、どんどん上手くなっていきます。
そして、「詳しい話を聞きたい。」というお客さんが現れ、「では、どうぞこちらにお掛けください。」と、ミーティングテーブルへの着席を進めました。
ここからが、前回と違います。
ミーティングテーブルに腰をおろし、小型マイクだけを机上に置き、直ぐにMDウォークマンの録音ボタンをスライドさせます。
相手は、前回同様、ベラベラと話してきます。
私は、時折「アハ」「ウフ」などの相槌を適当に打ちながら、終始話を聞き続け、相手が喋り終わった時に、「お話は、よく分かりました。今夜一晩検討して、明日回答しますので、明日改めてうちのブースに来てください。」と、握手をして別れました。
宿へ戻ると直ぐに、その日録音した会話を、MDウォークマンのランダムアクセス性能を活用して、聞きながら、相手の話している単語を電子辞書で調べます。
「なるほど、こんなことを言っていたのか・・・」と、今更ながらですが、相手の話のアウトラインをようやく理解しました。
(どうしても、聞き取れない単語も多く、その辺は、「たぶんこんなことを言っているんだろう・・」と、想像して補完するしかありません。)
この作業は、時には深夜まで掛かる事もありました。
こうして理解できた、アウトラインに対して、英語で回答を用意し、翌日それを伝えました。
ビジネス英単語
この事を繰り返していると、頻繁に出てくる英単語が、多くある事に気が付きました。
それらの単語を、対訳と共に手持ちの「システム手帳」に書きとっていくことで、自分専用の単語辞書ができていきました。
この経験は、その後の私の英会話能力の、礎になりました。
実体験から得た、とても貴重な情報は、その後とてつも無く役に立ちました。
今では、スマホの辞書アプリのブックマーク機能を使い、自分専用辞書は結構な量になっています。
便利な時代です。
自己流で
帰国後、予定通り英会話スクールに戻り、料金の事もあり少人数のグループレッスンを選択して、週2回の通学を続けましたが、料金が下がった事で、「今日は忙しいから、いいか!」的に、休むことも増え、グループでの授業自体にも違和感を感じるようになり、3ヶ月程で辞める事にしました。
ここからは、独学で行こうと決め、当時使い始めた「Skype」や、「英文電子メール」の本などを駆使して、Pacific Cycles 社のメンバーや、知合いになった外国人達と、積極的に話したり、メールのやり取りを繰り返す事で、学んでいきました。
主導権を取る
台湾のPacific Cycles 社や、ショー会場などで合流した外国人の友人達との会話にも、積極的に参加しました。
ランダムに変わっていく、他のメンバー達の主導の会話の中で、全く意味の分からない会話も多くありました。
そこで、つたない英語を駆使して、自分から話題を振り、話の主導権を取ることにも努めました。
「自分が振った話題」なら、今何について話をしているかが、把握できるので、会話を理解しやすくなるからです。
こんな会話を続ける中で、こいつの「この表現は面白い」とか、「このアクセントがいい」とか感じた部分は、積極的にまねたり取り入れたりしていきました。
いまでも「L」と「R」の発音が逆だと、よく言われます。
逆だからと一時期克服できたと思った時期もありましたが、また逆になったようです・・・
英文をタイピングしても、「L」と「R」をよく間違えます。
ある時、そんなメンバーの一人から、「ヨシマツの英語は、ひどいな・・・。でもユーモアが有るから、会話は面白い。」と言われたことがありました。
私にとっては「最高の誉め言葉」です。
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