「自転車と旅」取材話 北海道編 その1 準備

「自転車と旅」取材話 北海道編 その1 準備

以前にも紹介しましたムック本「自転車と旅」ですが

最初で最期と思っていたVol.4号の鹿児島旅に続き、Vol.8号でも出演依頼をいただきました。
編集長から直接お電話でのご依頼をいただいたお話によると、今回は「北海道 特集」を組むとの事で、またコース作りも含めたご依頼でした。
具体的に決まっている条件は以下の内容のみでした。
– モデルさんと私の2人旅
– 羽田出発 2泊3日の旅

鹿児島県生まれの私は、このお話をいただいた時点では、北海道は未踏の地でした。
「いつかは行ってみたい。」と思っていた場所の1つでもあった事もあり、今回も喜んでお引き受けすることにしました。

北海道旅のコース作り

南国生まれの私にとって、北海道のイメージは「何処までも伸びるまっすぐな一本道と、緑の草原」のイメージでした。
そんな場所を、「自分の作ったTartaruga に乗って旅をする。」何とも素敵な妄想に、心からワクワクしました。

実際にネット等を使って、様々な情報収集を行なってみたところ、確かにそんなイメージの場所はあるのですが、意外と交通の便が悪いエリアにあり、羽田出発の2泊3日の旅では、時間的に無理があることがわかり、断念せざるを得ませんでした。
そこで、気をとりなおし、羽田からの便も多い新千歳空港へ飛び、空港で車両を組立て即スタートするコースを作ることにしました。

コースを作っては編集長にメールで送り、御意見を取り入れながら修正を行う作業を繰返し、結果的に3つ目のコースで決定となりました。
具体的には、以下の通りです。
1日目
– 羽田空港から新千歳空港へ移動
– 新千歳空港で車両を組み立て、苫小牧へ自走(23Km)
– 苫小牧駅から東室蘭着へ輪行
– 東室蘭駅で車両を組み立て、洞爺湖へ自走(42Km)
– 洞爺湖畔の宿に宿泊

2日目
– 洞爺湖から支笏湖へ自走(80㎞)
– 支笏湖畔の宿に宿泊

3日目
– 支笏湖満喫後、新千歳空港へ自走(32Km)
– 新千歳空港から羽田空港へ移動

80キロ走る

今回のコース作りには、前回の鹿児島編時の教訓から、高低差にも十分気を使いました。
「ルートラボ」という、今ではYahoo 傘下になったWeb上のルート作成サービスがあるのですが、ここのページにある地図上にコースを描いていくと、その高低差具合がグラフとして表示される、まさに自転車旅にはうってつけのサービスです。
このサービスを駆使して、入念にコースを作っていきました。
3日分のコースを個別に制作して、一点問題に思えたのが、2日目のコースでした。

自転車と旅タルタルーガ
「ルートラボ」で作成した、2日目のコース

洞爺湖畔にある宿を出て、この日の宿のある支笏湖までおよそ80キロ程の距離があり、しかもその工程の前半全てが、登りとなってしまいます。
勿論、色々と別ルートも検討しましたが、どうしてもこのコース以外ありません。
また、最悪のケースとして、万が一「もう走れません!」となっても、電車やバスを使った輪行という、エスケープ手段がこの時期は無い事もわかりました。
「そんな距離、自分が走れるのか?」このシンプルな不安が、私の中で大きくなっていきました。

「たった80キロで、何言ってるの?」と、多くの方が思われているとおもいますが、お恥ずかしい話、この時点で、私の経験がある最長自走距離は50キロ位でした・・・

ぶっつけ本番では怖すぎると考えた私は、この不安を打消す為、事前走行をしてみることにしました。
愛用のGTに乗り川崎の自宅から、自分の知るきつめの坂のあるコースを通って横浜の山下公園へ向かい、そこから綱島経由で二子玉川へ行き、自宅へ戻るコースを走ってみました。
サイクルコンピューターのカウンターは、およそ50キロでした。
「後30キロか・・・」
帰宅後、「じゃあ、家から80キロ先って何処だ?」と思い、ルート検索してしてみると、「川崎」の自宅から「つくば市」辺りまで行くと、丁度80キロでした。
「とおい・・・・」

つづく