「ヒラメ」ポンプヘッド

「ヒラメ」ポンプヘッド

今回は、弊社製品には、直接の関係はありませんが

自転車用の「ポンプヘッド」のお話です。
タルタルーガ・エンターテイメントワークスを起業して、Tartaruga Type FOLDING の発売を模索していた2001年の夏、必要にせまられ、フロアポンプ(自転車用の空気入れ)を購入しました。
長い付き合になるであろうことは、容易に想像がついたので、ちょっと奮発して、空気の入れ易さや見た目を重視し、当時1万円以上した、TOPEAK の「Joe Blow Pro」という、ちょっといいフロアポンプをセレクトしました。
以来、20年近く、日々のメンテナンスからイベントまで、大活躍してくれています。

ポンプヘッドが壊れる

そんなお気に入りの、フロアポンプですが、先日いつものように、愛車の空気を入れようとすると、全くバルブをくわえてくれません。
インナーチューブのバルブヘッドを、何度も緩めて、挿入を繰り返し、レバーを上げても、タイヤの空気が抜けるばかりで、全く空気を入れられない状態となってしまいました。
ヘッド部をバラして内部を確認しても、特に異常は見受けられません。

「寿命だな・・・」と、充分納得のいく年月、活躍してくれた事への感謝の念しかありませんでした。

そうだ「ヒラメ」にしよう!

タルタルーガヒラメポンプヘッド仕事柄、日本全国の弊社製品の取扱店様で開催している、弊社製品の店頭試乗会の際に、各取扱店様が愛用されている、様々なフロアポンプを使わせていただいていますが、それぞれのお店ごとに、独自のこだわりがあり、この点を拝見できることも、ある意味楽しみでもあります。
中には、4000円程と比較的安価で、なおかつ使い勝手のいい商品もあるので、フロアポンプ自体の買い替えや、壊れた商品の純正のポンプヘッドだけを購入しての交換も、検討しましたが、以前から、その使いやすさと質感が、気になっていた、「ヒラメ」ポンプヘッドを購入して、交換することにしました。

「結構な値段するよ。」

壊れた自前も含めて、様々なフロアポンプを使ってきた中で、くわえ込みがしっかりしていて、空気が入れ易い商品は、色々あるのですが、空気を入れ終わり、ポンプヘッドをバルブから取外す際に、くわえ込みがしっかりしていればいる程、取外しがやりにくく、勢い余ってスポークやフレームに、幾度となく手の甲を叩きつけてきた自分にとって、ある取扱店様が使用されていたポンプヘッドの使い易さに、驚いたことがあります。

使い込まれて少し汚れた、ちょっと古風な真鍮色のそのポンプヘッドの、あまりに優れた使い易さに、当時「これ、何ですか?」とそのお店の店主に尋ねると、「ヒラメっていう、日本の製品なんですよ。 使い易いでしょ?」との返事につづき、「でも、ポンプヘッドだけで、結構な値段するよ。」との事でした。
それ以来、こちらの取扱店様に伺うたびに、その「ヒラメ」を使わせていただいていました。

真鍮色が欲しい!

タルタルーガヒラメポンプヘッド購入を決め、いろいろと情報収集を行うと、ポンプから伸びるホースと「ヒラメ」をつなぐ本体部分の色が、真鍮色の商品と、クロムメッキ調の商品があることが分かり、発売元の「桑原インターナショナル」様に問い合わせをしてみたところ、「今は、クロムメッキ調の物しか作っていません。」との回答をいただきました。

そこで、クロムメッキ調の「ヒラメポンプヘッド(YOKO)」、「専用のホースバンド」、「米式バルブ用アダプター」を購入しました。

交換は簡単でした!

タルタルーガヒラメポンプヘッドタルタルーガヒラメポンプヘッド交換作業は、とても簡単で、壊れたポンプヘッドの付け根辺りで、カッターを使いエアーホースをカット。
カットしたホースの切口内部に、少量の食器用洗剤を塗布して、「ホースバンド」を通し、「ヒラメ」本体の接続部を、入れられるところまで挿入します。
ホースへの挿入は、最初とてもきついですが、先端が入ると後は比較的簡単に挿入できました。
同じ径のエンドまで挿入したら、「ホースバンド」をスライドさせて、適当な位置でドライバーを使用して締め付けていけば、ガッチリと固定できました。

空気を入れてみた

タルタルーガヒラメポンプヘッドタルタルーガヒラメポンプヘッド交換を終えたので、早速愛車に空気を入れてみました。
ポンプベッドにつながったレバーを開き、チューブ側のバルブ先端の小ねじを少し緩めたら、バルブに刺してレバーを締込みます。
この時の締込み力の調整は、ポンプヘッド先端の「HIRAME」の文字が張られたリング部を、完全に緩めておいて、反時計周りに、4分の1回転ずつ締めこんでいき、レバーを締めながら適正な締込み力を設定します。
適正に調整を行うと、それ程きつく締めなくても、簡単にしかも確実なくわえ込みができます。

自前の「ヒラメ」ポンプヘッドを入手して、愛用を始めましたが、やっぱり使い易いです。
ポンプ本体も、既に20年近く使っているわけで、いつまでもつのかはわかりませんが、仮にポンプ本体が壊れても、「ヒラメ」ポンプヘッドは、次のポンプに移植して使うことになると思います。
愛着のある「良いものを、長く使う。」というコンセプトは、弊社製品にも通じています。