「自転車と旅」取材話 鹿児島編 その1 計画

「自転車と旅」取材話 鹿児島編 その1 計画

残念ながら、現在休刊中となっていますが

「自転車と旅」というムック本がありました。
自転車を使った旅「輪行」を中心に、様々な自転車旅の様子やノウハウを紹介する、とても内容のある本でした。
ご縁があって、数多くの号で、弊社製品も取り上げていただきました。
当初、取材に御使用される車両の貸し出しから始まったご縁でしたが、2011年刊行のVol.4号製作の際に、前回ご紹介した Tartaruga Type SPORT GT 発売のタイミングだったこともあり、初めて紙面への出演依頼をいただきました。

本格的な自転車旅の経験も無い時期でしたので、正直相当に戸惑いましたが、せっかくのお申し出でしたので、ありがたくお引き受けする事にしました。

初めての経験でもあったので、すでに企画の内容が決まっていて、ただただ、編集部の指示に従って動けばいいのかと思っていたところ、意外なリクエストをいただきます。

「行ってみたいところありますか? 行きたいところがあれば、コースも含めて内容を考えてみませんか?費用は編集部で持ちますよ。」との、ご提案をいただき、「マジか!」と言うのが、率直な第一印象でした。
全く、意外なリクエストに、またまた戸惑いましたが、こんな機会は二度とないだろうと思い、コース作りを含めて、お引き受けする事になりました。
私:「海外でもいいんですか?」
編集部:「流石にそれは、予算的にちょっと・・・」
私:「そりゃ~そうですよね・・・」

どこへ行こう?

早速行き先決めと、コース作りに取り掛かりました。
以前にも書きましたが、私の出身は鹿児島県です。
育ったのは、今も実家のある、松元町(町村合併で、現在鹿児島市に編入されてしまいまいした。)ですが、生まれたのは、当時父親が勤務していた事もあり、最初の自転車を買ってくれた叔父の会社のある、川内(せんだい)市でした。
二度とないであろう今回の機会に、自分の生まれた街を訪ねるのが面白いのではないかと思い、調査をはじめました。
川内を起点に、熊本県の八代まで走る、「肥薩おれんじ鉄道」という第三セクターによるローカル線があり、これを利用した輪行旅に決めました。
しかも当時は「銀河鉄道999」のラッピング電車も走っているとの事でした。

自転車と旅タルタルーガ
「肥薩おれんじ鉄道」折口駅

途中の宿泊地は、「肥薩おれんじ鉄道」の折口駅で降りて、鹿児島本土から橋を渡って行ける、長島に決めました。
芋焼酎が有名な鹿児島県ですが、鹿児島県で最も一般的に飲まれている焼酎が「さつま島美人」と「黒伊佐錦」という商品で、この長島に「さつま島美人」を製造している「長島研醸」という蔵元が有ります。
更に調べて行くと、熊本県葦北郡(水俣市の隣)に、自然製造としては日本の南限の日本酒蔵元、その名も「亀萬酒造」と言う酒蔵がある事も分かりました。
弊社社名「Tartaruga」はイタリア語で「亀」の事なのです。
運命の様なものを感じた私は、芋焼酎と日本酒という、自分の大好きな飲み物の蔵を訪ねる旅にする事にしました。
更に調べて行くと、湯の児にスペイン村があり、そこに「亀コレクション館」があるとの事だったので、こちらにも寄ることにしました。

具体的なコース作り

大まかにポイントが決まったので、具体的なコース作りに着手しました。
1日目
– 羽田から鹿児島空港へ移動。
– 鹿児島空港からは、リムジンバスで川内駅へ移動。
– 川内駅から「肥薩おれんじ鉄道」で折口駅へ輪行。
– 折口駅で降り、車両を組立て、黒之瀬戸大橋を渡り長島へ移動、島内一周と長島研醸見学。
– 民宿「夕暮荘」へ移動、宿泊。

2日目
– 宿から折口駅へ自走。
– 折口駅から「肥薩オレンジ鉄道」で津奈木駅へ輪行。
– 津奈木駅で降り、車両を組立て、亀萬酒造へ移動、酒造見学。
– 亀萬酒造から、湯の児スペイン村 福田農場へ移動、昼食。
– 湯の児スペイン村 福田農場から、新水俣駅へ移動。
– 新水俣駅から、空港リムジンで鹿児島空港へ移動。
– 鹿児島空港から、羽田空港へ移動

自転車と旅タルタルーガマップ
Google Map で制作した、「折口駅」から「長島研醸」を経由して「夕暮荘」までのコース案

この内容に沿って、Google Mapを駆使してコースを製作し、当日を迎えたのですが、結果的にその Google Map で作ったコースが、私自身に大問題をもたらす事となります・・・・

つづく