GIANT社「Revive」

GIANT社「Revive」

2001年の発売後、かなりのインパクトをもって

市場から受け入れられた、Tartaruga Type FOLDING は、その後、様々なメーカーから、数多くのコピー商品が出てきます。
その中でも、特に印象に残っているのが、GIANT社から出てきた「Revive」でした。

オファー

2001年11月に開催された、東京国際自転車展に、当時の弊社製品の販売代理店だった、ミズタニ自転車さんのブースに、発売されたばかりのTartaruga Type FOLDING の量産品を展示しました。
展示車両の傍らに立ち、商品説明をしていた私の元に、一人の男性が現れます。
名刺交換をすると、当時のGIANT社社長でした。
「この商品は、とても魅力的な商品だ。どうでしょうか、この商品をうちで作りませんか?」と提案されます。
ちょうど1年前の、ジョージさんからの提案と、全く同じ内容のオファーに、デジャヴを見ている気分になりました。
「せっかくのお申し出ですが、この商品はあなたもご存じの Pacific Cycles 社のジョージリン氏協力のもと、既に量産を開始した商品で、Pacific Cycles 社への義理もあるので、御社に製造を持っていくことはできません。
でも、私はプロダクトデザイナーなので、御社がもしこういった商品の開発を、行いたいというのであれば、御社の為に、新たなデザインを起こすことは可能ですよ。」と伝え、その場は別れました。

東京国際自転車展が終了した翌日、私からGIANT社社長あてに、会場で声掛けいただいた事へのお礼と、会場で説明した内容を、改めて文章で伝える内容の、英文メールを送りました。

10日程たった頃、社長から返信がありました。
「こちらこそ、お会いできて光栄でした。
また、御社の展示品にとても感銘を受けました。
この件は、弊社の新商品開発部の責任者にも伝えていますので、後日彼から連絡があると思いますので、よろしくお願いいたします。」
という内容でした。

翌日、GIANT社の新商品開発部の責任者を名乗る人物から、メールが届きました。
「弊社社長より、御社が東京ショーに、とても魅力的な商品を展示していたと聞きました。
その商品の事をより理解したいので、商品コンセプトや画像、その他の情報を共有させていただけませんか?
今後は、私が窓口になると思いますので、遠慮なく何なりとお申し出ください。」という内容でした。

「御社の社長にも伝えたのですが、・・・」と、社長に送った内容と同じ英文メールに、手持ちの真横から撮影した、Type FOLDING の画像を添付して返信しましたが、その後、連絡はパッタリと途絶えました。

Revive

タルタルーガ自転車タイプFコピー翌年2002年の8月末からドイツで開催された、ユーロバイクショー 2002に、Pacific 社のブースから出展していた私は、ある商品を見て、目が点になります。
ユーロバイクショーの、巨大なGIANT社ブースで、大々的に「Revive」が発表されていたからです。
ブースには、「New way of cycling」と題して、初期イメージスケッチをバナー化したものが、展示されていて、「新しいカテゴリーの商品」の誕生を、大々的にアピールしていました。

その作りにおいても、折畳み機構は持たないものの、相当大きな投資を行い、専用金型による専用パーツを多用して、細かな点の見栄えも、かなり立派な商品に仕上がっていました。

タルタルーガ自転車タイプFコピータルタルーガ自転車タイプFコピーそんな展示車両を見て、「おいおい・・・」と呆れつつも、資本の違いを見せつけられた様な気にもなり、Type FOLDINGの今後に、若干の不安さえ感じてしまいました。

試乗してみたら・・・

大々的な発表だった為、通常は無い、特設試乗コーナーまで、ブースに併設されていたので、私も列に並んで、試乗をしてみました。
試乗してみると、直前に感じていた不安は、すぐに払拭されました。

その操作感覚は、弊社のType FOLDING とは、全く異なるもので、車両の重さしか感じられず、全く楽しくありませんでした。
外観的には、アドバンテージすら感じられるほど、真似られてはいても、その本質の「感覚」の部分までは、真似られなかったのだと理解しました。
試乗を終え、「この商品は、Type FOLDING の敵では無いな。」と、断言出来ました。
その時の予想通り、その後、3年程でRevive は、完全に姿を消してしまいます。
その他のコピー商品達は、更に短命でした。

タルタルーガ自転車タイプF弊社のType FOLDING は、2001年の発売開始からやがて、17年が経とうとしています。
オリジナルだけが持つ、その「独特の走行感覚」は、今でも多くの方々に御支持をいただいています。