イタリア 2007 前編(ベローナ)
今回は、2007年8月30日~9月2日に開催された
ユーロバイク2007の後に行った、「イタリア」旅のお話です。
その頃は、以前お話したライアンとステインの三人で、ユーロバイク前後に旅をしていた時期で、「今年は何処に行く?」というのが、ユーロバイク前の、三人の重要な話題となっていました。
現在、長野県で自身の工房を主催している友人「安田マサテル」さんが、当時イタリアのベローナにある老舗自転車工房で働いいて、この年のユーロバイクに、見学に来るとの連絡をもらったことをきっかけに、「今年は、イタリアに行こう!」ということになりました。
安田マサテルさん
「安田マサテル」さんとは、2001年の東京国際自転車展で、ひょんなきっかけから知り合いとなり、その後も、ミラノショーやユーロバイクの会場で再会したりと、偶然が重なったことで仲良くなりました。
独学で木製フレームの自転車を製作、その後イタリアへ渡り、イタリアの工房を渡り歩いて修行を重ね、帰国後は、長野県上伊那郡で「アトリエ キノピオ」という工房を主催しています。
そんな彼と、ユーロバイク最終日の Pacific ブースで合流し、ブース撤去後、いつもの3人に彼を加えた4人で、イタリア、ベローナの郊外、ベルナ湖の近くにある彼の住む部屋へ向け、アウトバーンを南へ、ステインのイエローバンを走らせ、その日の深夜には部屋に到着、その日から2泊させてもらいました。
地元民とならではの観光
既に、イタリアへは何回も行っていましたが、ベローナを訪れるのは初めてでした。
しかも、今回はこの街の住人である安田さんのローカルガイド付きです!
翌日の朝から、各自自転車に乗り、安田さんに先導され、サイクリングを兼ねた観光です。
私は、当時ユーロバイクに出展する為に、日本からハンドキャリーしていた Tartaruga Type FOLDING で走ります。
先ずは、彼の勤める工房「ZULLO」を見学させてもらいました。
「ZULLO」は、イタリアのハンドメイドバイシクル界の大御所ビルダーの一人「ティツィアーノ・ズッロ」氏の工房で、スチールフレームを一点一点、ハンドメイドしています。
国内外を含め、初めて訪れた、ハンドメイドのフレームビルダーの工房は、とても新鮮で、安田さんの解説はとても勉強になりました。
自転車大好きなライアンとステインは、目をキラキラさせながら、工房内の色々な工具や治具などを手にして、大興奮していました。
工房を後にして、牧歌的なブドウ畑の中を抜け、超気持ちいいサイクリングを楽しみました。
軽めのランチの後、更にサイクリングして向かったのは、イタリアの最も美しい村のひとつと言われる、「ボルゲット」(Borghetto)という、地元では有名な観光スポットでした。
ミンンチョ川に架かる「Visconteo」橋を中心に、川の流れと街並み、手入れされた花々が織りなす、まるで絵に描いたような美しい景観が広がる、とてもフォトジェニックなエリアです。
この日は、日が傾くまで、「ボルゲット」のカフェでしゃべったり、街角で写真を撮ったりしながら、イタリアらしくゆったり、のんびりと過ごしました。
あまり日本では耳にしないスポットですが、ベローナを訪れるのであれば、是非立ち寄るべきだと思います。(事実、この2年後には、縁あって再訪しました!)
ワイナリー
翌日は、前夜に安田さんから話を聞いて「是非、連れてって!」と皆で懇願した、地元のワイナリーへ向かいました。
当時は、「RIZZI」というブランドのワイナリーで、併設された売店(と言ってもかなり大きなスペースです。)で、同ブランドの様々な商品を購入できます。
何よりも、我々を魅了したのは、僅か1ユーロを払えば、売店内に併設された「バル」スペースで、全ての商品を好きなだけ試飲できるシステムでした。
チーズやナッツなどの、簡単なおつまみまで提供されます。
何より驚いたのは、ワイナリーに併設のためか、どの商品もフレッシュながら、実に美味しく、それまで自分が持っていたワインの概念を、いとも簡単に書き換えてくれました。
しかも、どの商品も驚くほど安いのです!
中でも私が一番うまいなと感じた、ミディアムボディーの赤ワインが、1本3.5ユーロと、信じられない様な価格でした。
我々が、テイスティングを楽しんでいる間も、地元の住民たちが次々に自宅用のワインを購入しに来店します。
その様子も、また驚愕でした。
各々に、容量20L程のポリタンクを持参してきて、売店の壁に設置された、商品ごとの巨大なワイン樽型のオブジェからのびるノズルを挿し、持参したポリタンクを次々と満タンにしていきます。
流石、本場イタリアのワイナリー!
我々も、それぞれ持ち帰れるだけの量を購入(私も、あれこれ混ぜて6本購入)しました。
ワインの味も含めて、このワイナリーが、あまりにも気に入ったため、ここへ来ることをメインの目的に、2年後には再訪を果たしたのでした。
つづく
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